リクルート社の社員は、入社当時から独立を意識しているから、
退職後も、幸せな人生が送れるのだと言う。
もともと「依存思考」など皆無だということだ。
社内の方針としても「新陳代謝を活発にする」という意味で、
若い社員の意見を積極的に取り入れているし、実際に、
その中から生まれた企画も多い。
また、OBどうしても連携が強く、既に
「元リクルート社員」というブランドが成立している。
そのような意味では、若手社員も、良い意味での「踏み台」
という考え方を持って入社してくるから、すべての
業務において、自発的な行動ができるのだろう。
これと同じような例として、テレビ局のアナウンサーがある。
多くのアナウンサーは、ある程度、局アナとして有名になったら
フリーになるという王道が用意されている。
そして、テレビ局側も、それを推奨しているのが事実。
なぜなら、テレビ局側も、毎年、若いアナウンサーを
入社させるわけだが、古株のアナウンサーが巣立ってくれないと、
新人アナウンサーが座る席が確保できない。
特に、テレビのような業界は、視聴者が「飽きてくる」から、
ある程度、入れ替えていかなければ、数字も取れない。
一方で、報道番組や、特番の司会などは、ある程度の経験と
高いスキルを持った実力のあるアナウンサーが求められる。
そのような「新たな市場」を、自ら開拓していってもらうことが、
会社と社員の、両方にとって、もっとも大きなメリットがあると
いう考え方に基づいている。
リクルートも、テレビ局も、1つの「会社組織」であることに
変わりは無い。しかし、一般の企業と比較して、このような
新しい考え方を導入しているという点では、極めて「先進的」
と言えるのではないだろうか?
当然、年功制度に基づけば、
「年取れば、給料は高い」という図式になるしかない。
逆に、若手社員は「安月給でこき使われる」という宿命。
しかし、若手社員に、いつも「独立」という将来が
明確に見えているならば、日々の仕事に対するモチベーション
は、明らかに違ってくるだろう。
なぜなら、年功制度で生き残る方法と、市場で独立して生き残る方法は、
まったく異なるからだ。
年功制度で生き残るためには、いくら実力だけを身につけてもダメで、
会社の組織や力関係や、上司との関係などを、しっかりと見極めなければ
ならない。どんなに実力があっても、上司から嫌われてしまっては、
出世できないというのが現実。
一方「自分の本当の価値を確かめるフィールドは、会社の外にある」
という事実に気付き、そして、会社側も、いずれはそのフィールドに
飛び出すことを推奨しているならば、若手社員たちが、本当に求めるものは
「実力」しかない。それは見せ掛けではなく、本当の実力。
そして、本当の実力を身に付けるために、若手社員たちは、
勝手に社内で「メンター」を作り出す。それは、所属や部署を超えて、
自分が本当に、心から信頼できる上司、本物の実力を持っている上司。
そのような「心から尊敬できる人」に出会えたら、その若手社員の
仕事に対する意欲は格段に高まる。
事実、新陳代謝を活発にしている会社では「本当に優秀な上司」
しか、社内には残れないはず。だからこそ、社内に残っている上司は
「本物の上司」ばかり。そして、その「すばらしき上司たち」から、
何かを教わりたいと思って、優秀な若手社員が集まる。
このような好循環が生まれてこそ、会社の実力はどんどん高まっていくものなのだ。
「いつか辞めることを前提として入社する」という考え方。
会社にも「卒業」が必要なのだとしたら、それは一律60歳だと、
だれが決めたのだろうか?
そして、その「卒業」を積極的に推進するような社風とルール。
それがあってこそ、新陳代謝が活発化し、本当の意味で
「時代に取り残されない企業」が誕生するのである。
(次回につづく。)
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