2004年10月29日

成果主義を否定するか、肯定するか?

最近、成果主義に対する世間の注目や関心が高くなっていることは間違い無い。
富士通の例を始め、表紙に「成果主義」と名のつく書籍も、多数見かけるようになっ
た。

このように、私たちサラリーマンの関心が高くなっていることは、
とても良い傾向だと思っている。
今まで「給料は会社から決められるもの」だという受動的な考え方から、
「自分の実力次第で給料は上げられる」という能動的な考え方に
変化するためのきっかけを作ることができるからだ。
そうやって、少しずつ全体の意識を変えていくことにより、
日本の企業全体の体質や風潮も変えていくことができるのだろう。

しかし、一方で、すべての物事や変化に対して、
否定的な意見や考え方しか持てない人が存在しているのも事実。
これはとても悲しむべきことだ。

人間は、根本的に、安定を好む生き物。
なぜなら、本能的に「安全欲求」があるから。
つまり、危険を避け、安全を求めようとする欲求。
もちろんそれ自体は、必要なことだし、生命を守るためにも
大切なことだ。

しかし、一方で、人間には「自己実現欲求」が存在しているのも事実。
これは高次元の欲求。

例えば、猿はバナナを取ろうとするが、
もし、南国に大量のバナナがあることを知っても、
決して、飛行機を作って、南国まで飛んで行こうとは考えない。
飛行機に乗って墜落して死ぬリスクを考えた時に、
それよりも、今いる安定した場所に居るほうが、
居心地が良いからだ。

私たち人間も、例えば、理髪店や美容室、病院、飲食店
など、いつも行きなれたところを、どうしても選んでしまう傾向がある。

もしかしたら、もっとサービスの良い店が、近くにあるかもしれない。
しかし、行きなれた店のほうが、恥をかくリスクも少ないし、
気を使わなくていいから、楽なのである。

つまり、人は「変わりたい!」あるい「変わらなきゃ!」
という欲求を持っている一方で、でも「変わること」に対して
抵抗するという欲求も持っている。
そういう意味では、人間は誰もが、自己矛盾を抱えて生きているとも言えるのだ。

さて、この考え方を、成果主義の導入に当てはめて考えてみると
どうなるか?

これまで慣れ親しんだ年功制度。そこから成果主義という
新しい風潮に変化しようとしている時、その変化に対しては、
必ず抵抗勢力が表れてくる。
なぜなら、心が「変わらないことで確保されるであろう安全」
を強く求めるからだ。

もちろん、それ自体は悪いことではない。
ごく自然な、人間としての生理現象とも言えるだろう。

しかし、問題なのは、その意見に固執しすぎて、
別の視点から述べられた意見に対して、耳を貸そうとしないこと。
それが一番の問題なのである。

全ての事柄には、必ずメリット、デメリットがある。
しかし、その事柄を潰そうと思えば、どうしても、
そのデメリットばかりを強調する発言や主張による議論
になってしまう。それでは何も進展しない。


例えば、言葉1つの受け取り方だってそうだ。
分かりやすい例として「頑張って下さい。」
という言葉があるが、これを

「励ましの言葉をくれたんだ。ありがとう」

と受け取るか、

「じゃあ今は頑張ってないとでも言いたいのか?」

と、否定的に取るか?

それは、本人の考え方や解釈の違いであり、
根本的には、その言葉を発した本人の責任ではない。


同じように、会議で何か新しい主張を発言した場合、
「じゃあ、今までの方法は間違っていたとでもいいたいのか?」
としか解釈できないような人には、残念ながら未来は無い。

成果主義というテーマ1つにしても、
とても奥が深いし、たった数時間の議論で
片がつくような薄っぺらい問題ではないことは事実。
だから、成果主義だけで一冊の書籍になるぐらいの
議論や考え方が存在しているのだ。

ある1つの情報を得た時に、
それをプラスに捉えるか?
それともマイナスイ捉えるか?

出来ない理由を考えるより、出来る理由を考える。

とても基本的なことだが、それが難しい。
理屈では分かっていても、実際に行動できないことのほうが多いからだ。

しかし、それでも、少しずつ変わらなければならないとしたら、
あなたは今、あなたの目の前に訪れている言葉や問題、指摘を
どのように解釈するだろうか?

その解釈の方向性1つで、
あなたの人生と将来の方向性も大きく変わることは
間違い無いだろう。

(次回につづく。)

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※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2004 無断転載を禁止します。コメント、トラックバック等はご自由にどうぞ。



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