2004年09月15日

若手社員が仕事に対して目的意識を持てない本当の理由

これは年齢に限ったことではないが、
若手社員が、仕事へのやりがい、充実感を
見失いやすい本当の理由は、目的意識の欠如である。

やりがい、自己重要感、達成感の前提には、
必ず、大いなる目標が無ければならない。

目標があり、その目標への執着が、
目的意識を育てる。

普通に親の言うことを良く聞いて、
すんなり大学にも合格し、好成績をおさめ、
就職試験も無難にパスした学生たちの多くは、
常に、一段上に上ることを目標としてきた。
つまり、小学生の頃は、良い中学に入ることを。
そして、中学生のころは、良い高校に入ることを。
そしてもちろん、高校生のころは、良い大学に入ることを目指し、
すべての大学生は、良い会社に就職することを目指してきた。

少なくとも、義務教育の時点では、
まだ、長期的な視点を求めるのは酷である。
もっとも、人生経験の少ない子供に、
将来を予測することなど不可能であるし、
歴史や社会的概念、常識すら身に付いていない状態で、
どうやって、自己の目標が設定できるのというのか?

にも関わらず、小学生の頃、必ずと言っていいほど、
作文や卒業文集、寄せ書きに「将来の夢は?」
という項目があった。

余談だが、イチローは小学生の時、すでに、
一流のプロ野球選手になるという目標を
明確に設定し、書いていたという。

だが、イチローほどの天才かつ、家庭環境で育てられた
子供ならまだしも、ごく平均的(一般的)な子供に、
そこまで強烈な目的意識を求めることは不可能に近い。

でも、それでも教育者は、子供たちに
「将来の夢は?」
「将来の夢は?」
「将来の夢は?」
「将来の夢は?」
「将来の夢は?」
と、連呼しつづけてきた。

その結果、子供たちはどうなったか?
自ら、将来が見えないことに混乱し、
自分の目標が設定できないことに対して
嫌悪感を覚える。

そして、当り障りの無い、無難な答えを導き出したのだ。
『良い大学に入って、良い会社に入る』

しかし、忘れてはならないのは、
進学も、就職も、本来ならば、
それは手段であり、目的ではない。

なぜなら、就職が目的なら、
入社試験に合格した時点で、あなたの人生の
目的は達成されているはずだからだ。

だが、実際は違う。
入社してからも、自己実現欲求が満たされないことに悩み、
多くの社員が、迷っている。
「俺、このままでいいのか?」という反面、
「今の生活も、それほど悪くは無い」と思っている自己矛盾。

会社での仕事は、完全にルーチンワーク。
特に、若手社員に求められる仕事は、重要度よりも緊急度が
優先される仕事である。

「明日までに、会議用の資料を作ってくれ」
「今月末までに、あと2件、契約を取ってきてくれ」

忘れてはならないのは、あらゆる仕事について、
それを「重要度」と「緊急度」という、2つの視点で
分析しなければならないということだ。

例えば、
「明日まで、会議用の資料を作る」
は、緊急度は高いが、重要度は低い。
なぜなら、長期的な目で見たら、たとえ
その会議の資料が未完成だったとしても、
会社の業績が悪化するほどのダメージは受けない。

それに対して
「あと5年以内に、介護ビジネス分野への参入を図る」
というような業務の場合、緊急度は低い。
その仕事が、明日までまったく進まなかったとしても
飢え死にはしないだろう。

しかし、5年後、あるいは10年後という
長期的な視点で見たときに、
もし、これから伸びるであろう市場への参入に
遅れをとってしまったら、それは、企業としては
致命的なダメージを受けることになる。

そして、このような長期的な視点を必要とした仕事は、
若手社員に割り振られることは無い。
だから、若手社員の仕事は、重要度よりも緊急度が
高い仕事が優先される傾向になる。

となると、若手社員の長期的な視点は、
自然に失われていくことになり、
結果として、若手社員本人が、長期的な視点での目標、
例えば、
「5年以内に○○と××の資格を取る」
「10年後、△△の分野で独立する」
のような目標を、考えることが出来なくなってしまう。

それが長期間続くと、例えば、
入社5年目の若手中堅社員でさえ、
アルバイト的な発想でしか、日々の業務がこなせない、
ということも起こりうる。

どんな仕事でも、長期的な視野で観察した場合、
そこから必ず、学びがあるはずなのだ。
それに気付くか? 気付かないか?
は、仕事の内容云々ではなく、本人がどこを見ているか?
次第なのである。

よく、若い部下に対して
「目的意識を持って、日々の仕事に取り組め」
と説教している上司がいるが、そもそも、
その原因は、若手社員に「緊急度の高い仕事ばかりやらせている」
ということが影響しているという事実を、忘れてはならない。

(次回につづく。)

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※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2004 無断転載を禁止します。コメント、トラックバック等はご自由にどうぞ。



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