2004年08月21日

サラリーマンは起業家よりも、税金面で損なのか?

最近の起業、独立ブーム、
成功法則本の類を読んでいると、
有名起業家、成功者が書いているものが多いが、
そのほとんどは、

「サラリーマンは損。だから起業しよう!」

という流れになっていることが多い。
その考え方がベースになって、
あとは、
「私はこうやって起業して、
こうやって苦労して、成功した」
という、話のつなぎ方になっている。

確かに、税金面で、サラリーマンは損だと言う意見は、
一理ある。税理関係に詳しい人ならご存知だと思うが、
俗に、トウゴウサンピンと言われる。
⇒ 職業別に「税務署から見た税金回収率」
を意味する。10はサラリーマン。5が自営業。3が農業。1は政治家。

つまり、サラリーマンは、節税できない。
だから、税務署から、100%きっちり取られる。
バカ正直な職業、という考え方だ。

たしかに、そうかもしれないし、
サラリーマンは、そもそも、税金について勉強しない。
勉強の必要性も感じていない。その非は認めるべきかもしれない。

だが「節税できないから、サラリーマンは不幸」
という一面的な捉え方では、サラリーマンの生き方を
正確に分析しているとは言えないと思うのだ。

お金の面だけから言えば、
税金をしっかり取られてしまうという意味では損。

しかし、本来ならば、税金はしっかりはらうのが
当たり前なのである。
(それは奇麗事だと言いたい人もいるだろうが。)

サラリーマンは、節税できない代わりに、
精神的なメリットが与えられている。
それは、「税務署に対する恐怖心」という、精神的な
デメリットを受けないという、メリットである。

つまり、

「これは節税なのか? 脱税なのか?」
「もし、脱税だと言われたら、どうしよう?」
「もし、申告漏れがあったら、どうしよう?」

など、納税に関する悩みは、
少なくとも、普通にサラリーマンをやっているならば、
心配する必要は無い。

自分は100%、きっちり払っているという自信。
後ろめたい気持ちが無く、日々の生活を営めると言うことは、
お金には変えられない、大きなメリットの1つである。

にもかかわらず、
「サラリーマンは、せっかく稼いだ給料を
税務署に搾取されている」
というような考え方だけが一人歩きしたら、
サラリーマンのモチベーションは、
ますます下がるに決まっている。
そんなことで、日本経済が発展するはずが無い。

「お金を手にすると、新たな悩みも増える」
とは、よく言われる。
それは、金持ちにしか分からない、
贅沢な悩みかもしれない。
しかし「悩みとセットになっているお金なんて、いらない」
という人もいる。

成功と闇。
成功者に強く光が当たれば当たるほど、
その影の部分も濃くなる。

野村さちよは、相当な金を稼いで、
知名度もあったはずなのに、
なぜ、脱税までする必要があったのか?
その先に、何があると言うのか。

たしか、TVのインタビューで、
「将来に対する不安」というコメントをしていた
記憶がある。
短命な芸能界で、今の生活レベルが
いつまで維持できるか? が心配だったのだろう。

この悩みは、ただ金額の規模が違うだけで、
リストラを恐れるサラリーマンの悩みと、
何ら、変わりないのではないだろうか?


誰だって、お金は多いほうがいいと思っている。
しかし一方で、悩みは少ないほうがいいとも、思っている。

世の中のすべてのバランスは、表と裏、プラスとマイナス、
N極とS極によって保たれているとするならば、
お金の裏には、必ず、その金額に値する悩みが
セットになっていると言うこと。

つまり、お金の金額が大きくなればなるほど、
その裏に引っ付いてくる悩みのレベルも大きくなるに決まっている。
でなければ、世の中のバランスが保たれないからだ。

「お金の心配をしたくなければ、
起業して、経営者になって、たくさん稼いで、
優秀な税理士を雇えばいいじゃないか」

と思う人もいるかもしれない。たしかにそのとおりだ。
税金面での心配、悩みを消すために、
税理士や公認会計士を雇う。

そして、同じように、あなたの会社の経理部の、
税理士、公認会計士が、我々サラリーマンの
税金を、計算して、ちゃんと税務署に
払ってくれているという事実も、忘れてはならない。

だからこそ、我々は、普段の仕事において、
税金の心配をせず、日々の仕事に専念できるのだ。

このように、余計な心配をしないで、
日々の仕事だけに専念できるという環境は、
幸せな環境であると言えないだろうか?

サラリーマンの給料が安いのは、
その税理士さんの給料分が引かれているからであるという事実を
忘れてはならない。

そして、その恩恵として、私たちサラリーマンは、
「税務署のことを気にしなくていい」という
精神的メリットを享受しているのである。

(次回につづく。)

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※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2004 無断転載を禁止します。


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