2006年05月17日

企業内検索で変わる人事評価

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検索エンジン市場は、WWWから「企業内検索」へとシフトしている。
ワールドワイドなウェブ(つまりWWW)は、グーグルとヤフーの
独壇場であり、もはや他社が参入する余地はない。
これから予算をかけて自社製クローラを開発しても、
その性能を市場に認知させるだけで莫大な宣伝コストがかかるからだ。

では、検索エンジンの自社技術を持っている企業が次に狙うのはどこか?
それが「組織内検索」である。
具体的には、企業内のイントラネット上に散在するデータを
検索エンジンで素早く検索できるようにしよう、という考えだ。
今のところ、目立った参入を表明しているのはオラクルとグーグル。
オラクルはデータベースが専門であるが、そこで培ったセキュリティ
ノウハウを、検索結果表示に生かそうとしている。

ワールドワイドの検索と企業内の検索とで大きく違う点は、
「表示結果のすべてを、不特定多数の人間に見せることができない」
という点である。これはワールドワイドの検索には無い考え方だ。

原則として、ワールドワイドの検索結果は、子供でも大人でも
誰でも見ることがきる。利用者によって表示結果を制限したりしない。
ウェブ上に存在するすべてのコンテンツは、成人向けを除いて
「誰が見てもいい」という前提で作られ、公開されているからだ。

だが企業内の情報となれば、話は別だ。
たしかに、社員数の多い大企業では、部署間の持っている情報が
隠蔽され、それが横方向に広がっていないという問題がある。
だからこそ部署やグループを超えた情報共有装置としての
「企業内検索エンジン」の開発が望まれたわけだ。

しかし、閲覧者が新入社員か? 部長職以上か?
によっても「検索結果に表示させてもいいかどうか?」が
変わってくる。また、人事部のデータや査定関連については
全社員に無条件に公開することは問題があるはずだ。

つまり「閲覧者の権限」に応じて、表示結果を変えなければならないという
大きな課題が、企業内検索には存在する。これがワールドワイドの検索との大きな違い。
そこで「データを守る」という意味での「セキュリティ」というコンセプトが
重要になるのだが、そのジャンルにおいて、オラクルはグーグルに対する
優位性を見い出そうとしている。

さて、このような「企業内検索システム」が一般化すると、どうなるか?
社員同士の関係性において、どんな現象が起こるのか?
それを知るためには、現在のワールドワイド検索で何が起きているか?
を見れば、一目瞭然である。

「いかに検索結果の上位に表示されるか?」という競争において、
熾烈を極めるSEO戦争。そこまでして手に入れたい「一位のポジション」
には、どれだけの価値があるのか? 知名度アップ、収益アップなど、
「トップに立つことで得られるメリット」は挙げればキリがない。
この価値観は、そのまま企業内検索にも当てはまる。

企業内でトップに立つという野望。それはつまり出世欲であり、
「もっと社内での発言力および影響力を高めたい」という欲望である。
それが給料としての報酬に比例するのであれば、誰もが上位を狙うに違いない。
つまり「社内における、社員同士のSEO戦争」が始まることになる。

だとすると、勝つのは誰か?
当然のことならが「有益な情報を出し続けることができる社員」である。
企業内検索システムの基本は、グーグルにおける「ページランク方式」である。
つまり「その情報がどれだけ多くの社員からリンク(支持)されているか?」
によって、情報の優劣、重要度が決定される。極めてフェアで、民主主義的な方法だ。

これにより、社内の評価システムは限りなく「公平」に近づいていくだろう。
「情報を出す者」と「出さない者」との間には、「認知度」という
限りなき溝が生まれ、その差はどんどん開いていく。
もはや年齢や勤続年数は関係ない。本当に実力(を示す指針となる情報)
を提供できる人間が上位に立ち、組織を動かしていく。そんな時代が近づいている。

(次回につづく。)

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Posted by shiawase3 at 13:47 │Comments(0)TrackBack(0)

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