大和賢一郎+ターレス今井(著) 本体1300円 ISBN 4-479-79157-4 大和書房
会社に行くのが10倍楽しくなる! コレを読む前に辞めると後悔します。

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ここ数年の起業ブームは、一体なんだったのか?
それは「幻想」である。煽り立てられて発生した蜃気楼のようなものだ。
と言っても、起業を否定しているわけではない。
ビジネスを本気で全うしたい人にとって、起業は最適な選択肢かもしれない。
しかし、だからこそ難しい現実がある。
資金面、時間面、そしてスキルや人脈、経験の不足。
そもそも起業とは「ブームだから始める」ものでなない。
そのような甘い誘惑に騙されてきた人たちは、悲しいことに
起業のための教材に数十万から数百万を投資しながら、
何一つ「商品化」することさえできていなかったりする。
私が懸念しているのは、起業が「サラリーマンの逃げの理由に使われること」だ。
会社がイヤだから、組織がイヤだからといって、安易に起業への道を突き進む人たち。
しかし、起業したからといって、組織における根本的な問題が解決するわけではない。
たとえば、私のように「作家」として活動している人間は、
周りから見たら「一人で好き勝手にやっている自由業」に見えるかもしれない。
だが、本を作るというプロセスは、まさに集団作業。チームでやるプロジェクトなのだ。
その点については、大規模なWEBシステムを開発するときとなんら変わらない。
より良い商品を作るためには、客観的な視点を保たなければならない。
だが、自分ひとりだけで担当していたら、どうしても内容が偏ってしまうのだ。
だからこそ、会社組織においては、個人の偏りを正すために、上司がいたり
周りのアドバイザーがいたりする。商品の中立性を保つためには、
とても重要な存在なのである。
だが、自己主張の強い社員は、周りの意見に耳を貸すことに消極的だ。
だから組織がイヤになる。自分こそが最高だと信じているから
その勢いで『起業したら大成功できるに違いない』と思い込む。
そこに大きな落とし穴があるのだ。
成功している起業家は例外なく「謙虚」である。
周りの意見に耳を傾け、どんな些細なアドバイスでも冷静に受け止める。
だからこそ成長し、魅力的な人間へと変わっていくのだ。
自分を正してくれるものの存在は重要である。
その点、会社にはたくさんの「第三者」が存在する。
あなたの仕事に介入し、口を出し、いらぬお世話をしてくるかもしれない。
だが、そこにどれだけの価値があるのか?に気づかなければ
ビジネスで成功することは難しいだろう。
助言をしてくれる人が一人もいなくなれば、まちがいなく廃れていく。
それが人間の「弱さ」なのである。
今回の新刊「会社とことん活用術」は、共著として書いた。
つまり、私一人の意見ではなく、共著者であるターレス今井氏の
意見も多数盛り込まれている。
ときにはお互いに意見が違うこともある。
だからこそ、それを調整し、うまくまとめていく必要があった。
このプロセスは、組織で商品を作る流れに似ている。
大勢の人間が、協力して1つの商品を作る場合、
そこでは「商品に対する情熱」がぶつかり合う。
だからこそ「前向きなバトル」が展開されることも珍しくない。
会社ではそのようなバトルを避けようとして、消極的になるサラリーマンも多い。
しかし、組織で働けること = チームメンバー同士で討論しあえること
が、会社員であることの最大のメリットだとも言える。
「会社を活用する」とは、どういうことか?
会社の「人」を活用する。
会社の「情報」を活用する。
会社の「資金」を活用する。
重要なことは「人が集まるところには価値が集まる」という現実を
よく理解することである。組織から離れることによって、
「その組織に集まっている価値の使用権」も捨てることになる。
それが「辞めること」の大きなリスクである。
もちろん『もうこの組織から得られる価値は無い』と感じるのならば
去るのも1つの方法だろう。しかし「その組織からどれだけの価値を引き出せるか?」
は、結局は「社員の仕事に対する姿勢次第」なのである。
会社に怒りを感じるならば「会社をもっと活用してから辞めよう」と思えばいい。
その過程で、会社から受けてきた恩恵に感謝し、ありがたみを感じることができれば、
今度は『自分のスキルを会社に還元したい』と考えるようになるだろう。
具体的には『自分の能力を最大限に発揮して、周りの社員(上司や同僚)に
喜んでもらいたい』と思うようになる。その状態こそが「会社を活用している状態」であり、
理想的な「幸せなサラリーマンの状態」なのである。
今回の著書『会社とことん活用術』が、
そんな「幸せなサラリーマンの人生を手助けする一冊」になれば
著者としてこんなに嬉しいことはない。
(次回につづく。)
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※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2005 無断転載を禁止します。コメント、トラックバック等はご自由にどうぞ。書籍『辞めるなんてもったいない!入社3年たったら読む本(大和書房)』全国書店にて好評販売中