大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
巻末付録「絶対後悔したくない退職準備マニュアル」付き!!

内容・詳細はこちら
脱サラして起業する人は、その前提として「自信」があるはずだ。
今自分が勤務している会社のビジネスモデルよりも、さらに利益を出せる
モデルを自分が創り出すことができるという自信。
それは別の言い方をすれば「今の勤務先のビジネスモデルに終焉を感じている」
ということでもある。将来性が見込める業種ならば、
今の会社に残って成功するという方法もあるのだから。
だとすれば、起業する人には、相当な「先見性」が求められる。
そして、起業する人自身は「自分にこそ神がかり的な先見性がある」
のだと信じているかもしれない。
しかし、その「自らの先見性を評価する姿勢」には
大きな矛盾がある。
仮に、今の勤務先が「将来、先が無いビジネス」に
手を染めているとしよう。だとすれば、
今の勤務先の社長は「ビジネスマンとしての先見性が無い」
ということになる。
だが、そのような会社を選び、面接を受け、
そして今日まで勤めてきているのは、他の誰でもなく
自分自身なのである。
会社に先見性が無いのだとしたら、そのような会社を選んだ
社員にも先見性が無いのではないか?
つまり自分の勤務先のビジネスモデルを否定することは
自分自身の過去の先見性を否定することに直結する。
もちろん、入社後に鬼のように勉強し、
驚異的な先見性を身につけたビジネスマンもいるだろう。
しかし、成功するために必要なのは、はたして本当に「先見性」
なのだろうか?
『将来は○○がブレイクする』などと宣言することは簡単だ。
それが当たれば「先見性がある」と評価されるし、
外れたら『そんなこと言ったかな?』としらばっくれるだけ。
では仮に、神がかり的な先見性があったとして、
そのビジネスモデルを、どうやって実現させていくというのか?
「進むべき方向」が見えたとしても、実際に進むためにはエンジンが必要である。
もしもタイムマシンがあったとして、10年後、
これから伸びる業種、業界が手に取るように分かったとき。
いざそれをやろうとすれば、人ではもちろん、時間と労力、
そして資金も必要になる。根性も。
どんなビジネスにも共通する問題。雑務だったり
資金繰りだったり、人材の確保だったり。
これは先見性では解決できない問題であり、地味な課題だ。
だからこそ重要であり、成功に必要な真の要素でもある。
そして会社というフィールドは、地味な仕事を体験する場としては
最高の舞台だ。サラリーマンを体験したことがない人間は
サラリーマンの気持ちや価値観を理解できない。
だから人を雇うことができない。サラリーマンを雇って
上手く使うという仕事をこなせない。これでは経営者失格である。
先見性という言葉はいつも「あとづけ」で使われる。
『あの人には先見性があった。だから成功した』などといわれる。
しかし、その成功者が本当に大切にしたのは「先見性」ではなく
「堅実な仕事」であったかもしれない。人を大切にし、雑務を重視する。
そのような地味な功績こそが成功を生み出したのだとしても、
周りの人は『それでもやっぱり先見性が…』と言い張るのだ。
自分にどれだけの先見性があるのか? は分からないが、
自分がどれだけの仕事を堅実にこなすことができるか? は分かる。
会社の業務を否定し、会社の将来性を信じられない。
そのようなサラリーマンに先見性があるはずはないし、
たとえあったとしても成功はできない。
「成功 = 先見性 × 地道な作業」なのだから。
そして先見性が占めるウエイトは意外と少ないと私は考えている。
(次回につづく。)
presented by 幸せなサラリーマンになる方法
※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2005 無断転載を禁止します。コメント、トラックバック等はご自由にどうぞ。書籍『辞めるなんてもったいない!入社3年たったら読む本(大和書房)』全国書店にて好評販売中