2006年03月06日

求められるのは「仕事量」を客観的に評価するしくみ

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近い将来、サラリーマンの労働時間が、法律的に「短縮に向かう」ことは事実である。
極端な話『企業は残業代を支払わなくてもよい』という法律ができるかもしれない。
そうすれば「わざとだらだらやって残業代を稼ぐ」という手法はつかえなくなる。

これは、ある社員にとってはメリットであるが、
また別の社員にとってはデメリットであるかもしれない。

たとえば「自分が担当する作業の量が明確」な仕事の場合、
それが終わりさえすれば、堂々と定時で帰ることができる。
そうすれば、夕方や夜の時間をプライベートに使うことができるので
人生はより豊かなものになるだろう。

しかし、仕事の内容によっては「時間と成果の因果関係が証明しづらい作業」
もある。たとえば「アイデアを出す」とか「戦略を練る」という仕事だ。

これらは、ただ時間をかければOKというわけではない。
5時間考えても分からなかったものが、5秒で分かることもある。
これはIT業界においても例外ではない。

たとえばソフトウェアの開発において、
ある人が作れば1日で完成するようなシステムでも、
別の人が作ると1ヶ月かかることもある。
それは「既存のシステムをどれだけ理解しているか?」にもよる。
つまり、単純に「そのシステムと何時間向き合ったか?」だけで
成果が決まるとは限らない。もともとそのようなシステムに
詳しければ、本当にごくわずかの時間だけで開発を終えてしまうこともある。

つまり、仕事の内容が難解になればなるほど、
それに比例して「時間と成果の因果関係」も難解になる。
だからこそ「時間のかかる仕事を安値で押し付けられるサラリーマン」
が出てくることには危機感を感じているのだ。

どんな商売でも「自分の仕事を正確に見積もる」というのは
難しいことだ。サラリーマンの給与交渉はつまり「価格交渉」であるが、
「時間の多さ」を価格の上昇に理由付けられないとしたら、
残された道は「以下に作業量を減らすか?」である。

そこで、企業と社員との間で「作業量の妥当性を交渉する時間」が必要になる。
企業が提示した期限までに、求める成果を出せるのか?
自分の実力、周囲の協力体制と前提条件、それらを幅広い視野で
踏まえなければ、見積もりを大きく誤ってしまう。

IT業界でも、見積もりの甘さから過酷な長時間残業を強いられる
プロジェクトは少なくない。
極端な話「1年でできる」と思っていたシステムが
3年分ぐらいのボリュームだったりする。単純計算では
社員は3倍の労働時間を費やすことになる。だから休日出勤や
深夜残業でカバーすることになる。

これまでは、そのような過剰労働は「休出手当て、残業手当」で
保証されていた。だが「サラリーマンの時間短縮論」が
広がれば、もはやそれさえも保証されなくなる。

ではこのとき、企業側そして社員側は
それぞれどのように立ち回るべきなのか?
そこで求められるのか「社員の仕事量を客観的かつ迅速に
評価できる中立的なシステム」である。

もちろん、これを完成させるのは容易ではない。
だが、分かりやすく言えば「カカクコム」のようなサイトで
「仕事量コム」みたいなものを作れないだろうか?

仕事のジャンルと期日、前提となる条件と予算、
その他あらゆる条件を統合して、その作業量が
時間と給料に見合ったものか?を判定してくれるシステム。

それは企業ごとに作られるかもしれないし、
業界ごとに作られるかもしれない。
過去の実績をデータベースとして蓄積する
必要もあるだろう。

だが、時間がかかったとしても、そのようなしくみを
検討していかなければ、いつまでたっても「報酬と仕事量の妥当性」
を客観的に証明することはできない。

たとえば「時給千円のバイト」といえば、
コンビニ、スーパーのレジ、ガソリンスタンドなど、
だいたい仕事の内容は予想が付く。

同じように「エンジニアで時給4千円」といえば、
具体的には、どのような内容、仕事の難易度になるのか?
それをすぐに割り出せるツールがあれば、企業/社員ともに
重宝するに違いない。

企業の側からすれば、高すぎる人件費を抑えて妥当な
金額を指定することができる。社員にしてみれば「自分の市場価値」
を知ることができる。評価への不満も「自分の市場価値」を突きつけられたら
それ以上は言えなくなるだろう。

これは「企業に有利」とか「社員に有利」という問題ではない。
お互いに「フェアな関係」を維持するためにはどうするか?
という、雇用社会全体の問題なのである。

まだ具体的に、そのようなシステムが検討され始めているわけではないが、
少なくとも、今の時点でできることは「自分なりの指標を持つこと」である。
社外、業界外から見て、自分の価格はどうなのか? 能力はどの程度なのか?
それを客観的に見つめることができる人間。妥当な報酬を求めるならば、
まずは「自分の実力に妥当性を見い出す」しかない。

(次回につづく。)

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Posted by shiawase3 at 14:37 │Comments(0)TrackBack(0)

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