大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
巻末付録「絶対後悔したくない退職準備マニュアル」付き!!

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「大企業病」という言葉がある。
大手企業では組織が大きくなりすぎると、その中での
意思決定が遅くなったり、全体の動きが鈍くなったりする。
または古い体質に固執しすぎるため、身軽なベンチャーに
次々と追い越されたりする。巨艦は、小回りでプレジャーボートには勝てない。
消費者の側も、もはや企業ブランドだけで商品を選ばなくなっているのは
言うまでも無い。大量のマス広告費にお金をかけた分、そのコストが
商品価格に跳ね返ってくることは百も承知だからだ。
さて、企業で働いていると保険の勧誘によく会うことは前にも述べたが、
その多くは誰もが知っている有名大手生保会社である。
声をかけてくるときも『○○生命ですが』と、ブランドを前面に押し出してくる。
もちろんその手法は間違いではない。ブランドが効いた時代には。
しかし最近は「どの生保会社でも同じだろう」というのが正直な感想。
つまり、ある特定の生保会社を、イメージや義理以外で選ぶ基準が見えない。
だとすると、もはや大手生保会社もブランドに頼った戦略では
通用しなくなっているのだが、ここ1〜2年見ていても、その手法に
まったく変化がないのが現状だ。
本来、保険という商品は「義理」で買う商品ではない。
本人のライフプランにとってプラスになるのならば誰から買っても同じだ。
しかしBtoBtoCの場合は、毎日顔を会わせる保険の販売員を断る続けるのには
罪悪感を感じてしまう。だから購入動機は「罪悪感からの逃避」でしかない。
なぜもっと、保険商品のメリットや自社の訴求ポイントを
顧客に「ノーリスク」の状態で提供しないのか?
ノーリスクの状態とは「情報を聞いたら買わされる」という
恐怖心が存在しない状態である。
パンフレットを配っても「押し売りはしませんからご安心ください」
という態度ならば、受け取ってくれる人の数は今よりも10倍になるだろう。
だが現実には、1度パンフレットを受け取ったら、翌日以降もストーカーの
ようにつきまとわれ、契約書に判を押すまでは絶対に逃れられないアリ地獄に
引きずり込まれるのだ。それを知っているから「初対面のスキ」を
誰も見せようとしなくなる。そのため100人中99人は無視して通り過ぎるしかない。
日常会話さえも挨拶さえも成立しない。見ていて息苦しくなる。
これも大企業病の1つと解釈できる。
中小企業なら「今の販売方法には問題がある」とわかれば、
社長の即決ですぐに新しい手法を取り入れることができる。
無料相談会を開くとか、保険セミナーを開催するとか、
そのような「参加者に直接的なメリットのある情報」を
配布するほうが、よほど食いつきはいいはずだ。
もちろん「無理に売り込まない」というのが前提になるのだが。
組織が大きいと、これまでのやり方を変えるのは大変である。
だから販売員のストレスは溜まり続ける。売り込まれながらも
断り続けなければならない客もネガティブになる。
それでお互いに幸せな商取引が出来るのだろうか?
このような大企業病は、あらゆる業界にあてはまる。
サラリーマンならば内部で働いているからこそ分かるだろう。
「今までのやり方では限界が来ている」「新しい手法をそろそろ試してもいいのでは?」
しかしその1段の階段を上れず、10年前のマニュアルを片手に
商品を売り歩いている営業。その人的コストは最終的には
顧客や株主の利益を圧迫する。だがそれでも企業が存続している
ということは、やはり顧客が一番の負担を負っているということなのか。
このような問題を放置するのは簡単だが、
サラリーマンとして内部から1つでも改善できることがあるのならば、
それにあえて挑戦してみるのも、ビジネスとしては面白いだろう。
社内の反発を食らうかもしれないが。
(次回につづく。)
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