2005年12月14日

サラリーマンのバーター取引

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「バーター取引」というのがある。
たしか、もともとは「物々交換」という意味だったような気がするが、
ようするに「お金を介さない商取引」である。
たとえばメルマガの相互紹介。

これは「お金を払って宣伝する」のではなく
「お互いに無料で宣伝しあう」という形式をとっているので
まさにバーター取引なのである。

他にも「○○を無料で提供するかわりに宣伝してもらう」
という方法はよく使われる。
無料で試供品を配布したり、無料でセミナーを開催するのも
そこに「知名度を上げて集客したい」という意思があるからこそ
成立するバーター取引なのである。

とくに起業家は、この取引が非常に上手い。
いきなりお金の話をするとなかなかこじれるケースがあるのだが、
そうならないために、まずは自らの価値を無償で提供するのだ。
無料で相談に乗ってあげたり、無料で宣伝してあげたりする。
それが「バーターの取引材料」として蓄積されることを知っているからだ。
そのような積み重ねがあれば、いざ自分が助けて欲しいときにお願いする
糸口にすることができる。交換条件を提示しやすくなるのだ。

起業家はこのような手段で「金なし」の状態から実績を築き上げる。
そして人脈を広げて、知名度を高めて行くのだ。
逆に言えば、このようなフレキシブルな対応が出来ない人は
起業には向いていないと断言できる。
シビアな取引の中にこそ柔軟性が強く求められるのである。

さて、サラリーマンの場合はどうか?
基本的には「時間でスキルを切り売りする商売」である。
だから「残業代が出ないなら仕事はしない」という割り切りも大切だ。
しかし、サラリーマンの世界にも、多少なりとも「バーター取引的」な部分はある。
個人的な予定をキャンセルして上司の頼みを聞いたり、
あるいは部下の無理な要求を受け入れたりするという姿勢。
それは直接的な金額としては見えてこないが、あきらかに
相手にとっては「価値」を感じられる行為だ。
だからこそ、将来的には「バーター取引の材料」として成立する。
過去に無理な要求を受け入れたことがあれば、逆に自分が
「無理な要求をする側」に立ったとしても「お互い様」と割り切れるのだ。

もちろん、バーター取引では「証明するもの」がないから、
その点は注意しなければならない。『○○してあげた』といっても
『○○してくれる』とは限らないのだ。もし「してくれなかった」
という状況になったら「損した」と感じることもあるかもしれない。

だが、そのような人「バーター取引においてフェアになれない人」は、
いずれは消えて行く。誰からも頼まれなくなったとき、その人間は
存在価値を失うのだから、市場から消えていくしかないのだ。

起業家が心得ている「バーターの極意」をサラリーマンの仕事にも応用してみる。
すると「お金以外でもたくさんの価値がやりとりされている」という事実に気づくだろう。
それがきちんと見えているサラリーマンは、給与明細の数字だけに目を奪われたりは
しないのである。

(次回につづく。)

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