大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
巻末付録「絶対後悔したくない退職準備マニュアル」付き!!

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風邪や花粉の季節になると、電車の中でマスクをしている人を
よく見かける。電車の中にはそれだけ「ウイルス」が蔓延している
ということだろう。
たしかに、電車内のつり革や手すりにさわった手は
なんとなく「雑菌まみれ」という印象がある。
だからこそ、食事の前にはきちんと手を洗うことが大切なのだが。
そして巷には「抗菌○○」や「無菌○○」という製品が数多く売られている。
空気清浄の機能が付いたエアコンもある。
消費者の「菌に対する過剰な反応」が、消費を押し上げているということか。
確かに、小さい子供を持つ家庭では、空気をクリーンにしたいという
需要は高いだろう。だが、あまりにも過剰な無菌状態で子供を育ててしまうのもまた
問題であると感じるのは、私だけだろか?
いくら家庭の中が「無菌状態」であっても、一歩外に出たら、
そこには「雑菌だらけの世界」が口をあけて待っている。
電車、オフィス、ショッピングセンター。私たちが社会生活を営む以上、
どうしても踏み入れなければならない領域がある。
地球上のすべての雑菌を消し去ることなど不可能なのだ。
だとすれば、そのとき自分を守る術になるのは「抵抗力」であったり
「自然治癒力」であったりする。そして、それらの能力を鍛えるためには
多少なりとも「菌のある生活」が必要になってくる。
無菌室で育った生物が、そのクリーンルームを一歩外に出たら、
その瞬間に病原菌におかされるような事態。それこそが最大のリスクなのである。
安全な世界にいればいるほど、危険な世界で生き残る力が奪われていく。
そしてこれは、ビジネスにおいても例外ではない。
たとえば、サラリーマンが「会社に守られている」と仮定した場合、
言わば会社は「クリーンルーム」だといえる。借金のリスクもない、
仕事を失うリスクもない。同業他社につぶされる心配もない。
それらのリスクを経営者あるいは株主が負担することによって
サラリーマンは「鉄壁の守りに固められた部屋」で暮らすことができる。
私は、それはそれでおいしい状況だから、どんどん利用すべきだと考えているのだが、
もし、そのクリーンルームが崩壊したとき、本当に自分の抵抗力だけで
生き残れるのか? は常に意識しておくべきだろうとも思っている。
つまり、会社の外には「社内よりも強力な病原菌」がたくさん潜んでいるということだ。
実際にビジネスを立ち上げてみると『まさかこんなところでつまづくとは…』
という、予想外の妨害が待ち受けていることがある。
それはまさに未体験のウイルス。それにどうやって免疫をつけていくのか?
いきなりレベル4の病原体が現れたら即死である。
だからこそ、まずはレベル1か2あたりの敵から慣れていくしかない。
そのプロセルが「週末起業」の考え方に合致するのだが、
いずれにせよ、すべてのサラリーマンは「クリーンルームが崩壊すること」
を前提として、自分の身体を鍛えておいたほうがいい。
それは知識面だけではなく、精神面でも同じ。
サラリーマンでは体験できないような恐怖。それが起業の世界にはある。
だが、それに屈するようでは、いつまでたってもクリーンルームの
外の世界を体験することはできない。新しい自分を発見したければ、
外の世界に目を向けなければならないのだが、その世界には
まだ見ぬ未知のウイルスが大量に潜んでいる。それを忘れてはならない。
(次回につづく。)
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