大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
巻末付録「絶対後悔したくない退職準備マニュアル」付き!!

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新会社法が施行されれば、株式会社設立時の
資本金制度がなくなる。
つまり、1000万円ためなくても、
だれでも株式会社を設立できるようになるということだ。
この状況を「喜ぶべき状況」だと考える人もいるだろうし、
逆に「自分にとってはどうでもいい話だ」と感じている人も
いるだろう。
私の場合、どう感じたか?
1つは「目標の喪失感」を感じた。
今までは「株式会社を作るためには、1千万円を準備しなければならない」
というプレッシャーがあった。それはつまり「目標」でもある。
がんばってお金を貯めたものにだけ与えられる「株式会社の社長」というステータス。
そのステータスに対する憧れが、ある意味「資本金を貯めることへのモチベーション」
を維持していたのかもしれない。
だが、資本金制度がなくなった今では、
以前ほどのステータスを感じられなくなるのは避けられない事実。
『株式会社なんて誰でも作れるじゃん』
『社長なんて誰でもなれるじゃん』
そういう雰囲気が一般に浸透すれば、
もはや、個人事業主と株式会社社長の境界線は
(株)の肩書きだけでは線引きできなくなってしまう。
ビジネスで付き合う相手を選ぶ場合も、もはや
「株式会社だから安心だ」という簡単な選択ではダメな時代になる。
本当に相手を個人として見極め、実力や資金、将来性があるか?
などを、客観的に判断しなければならない。
そうなると、やはり「会社をきちんと経営する」という意味では、
最低限の資金は必要になるし、また「会社という枠組み」を作る前に、
しっかりとした土台(ビジネスモデルや集客、宣伝、営業の経験など)
を築かなければならない。「形から入る」とか「外見が重要」という
言葉もあるが、会社設立においては、それは当てはまらない。
ファッションで会社を作ることほど危険な行為はない。
つまり、資本金制度がなくなったからといっても、
それは「資本金を貯めなくてもいい」という意味ではない。
逆に「必ず1千万円貯めなさい」という意味でもない。
ようするに「自分のビジネスモデルを見極めて、
必要な経費を計算し、それに見合う資本金を用意してから
始めなさい」ということ。その原理原則は変わらない。
たとえば、インターネットで何かやろうと考えるならば、
元手が200万ほどあれば、かなりのことができる。
それで利益を上げることができれば、十分にビジネスとしてまわせる。
そのときは200万円の資本金で会社を設立するというのも賢い選択だろう。
大切なのは、自分がやろうとしているビジネスの規模と、
必要なキャッシュの額を見極めるということだ。
それができる人間ならば、どれだけの金を手にしても失敗することはない。
金額の大小に関係なく、お金の流れを見極められるのならばそれでいいのだ。
会社法が改正されたからといっても、それはビジネスの原理原則を
はずしたようなルールではない。きちんと準備し、計画し、
法人化すべきかどうか? そのタイミングを計算する。
それができない人間は、法改正の幻想に踊らされるだけで
実際に利益を上げることはできないだろう。
私たちは法に支配されているわけではない。
法は利用するためにある。
法のメリットとデメリットを理解し、
自分に有利なように法を活用する。
もちろん、サラリーマンであっても、法の改正については
敏感でなければならないし、常に新しい情報を
仕入れておかなければならない。
税金、社会保険、労働基準法、社内規則。
数え上げればきりがないぐらい、私たちの生活には法が入り込んでいる。
だが、どんなときでも、ビジネスの原則をはずさなければ
法に踊らされることはない。
「○○がなくなった/○○が必要になった」
このような法改正によって、自分は利益を得られるのか?
それとも損失を受けるのか? または何も変わらないのか?
一般論や思い込みに惑わされず、常に冷静に自分が置かれた状況に
当てはめて考えてみる。その視点を忘れてはならない。
(次回につづく。)
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