2005年08月31日

他人が作った仕組みを拝借して効率を上げる

PCを二台以上利用している人にとって、
個人データの移動や管理は、とても面倒な課題だ。

私の場合も、USBのメモリなどを利用しているが、
外付けメモリと、PC内部とのデータの連動、整合性には
気を使っている。どのファイルが最新版で、それが
どこに入っているのか? それをきちんと把握しておかなければ、
古いファイルを上書きして、新しいファイルを消してしまうなどの
大きな問題を引き起こす可能性がある。

実際には、PC内のフォルダをまるごとUSBメモリにコピーする
などの処理が通常だろうが、データ量が増えてくると、そのコピー時間も
膨大なものになり、また、それが毎日の作業となれば、かなりの時間を浪費する。

しかし、その問題を解決するための便利なフリーソフトはたくさんある。
ダウンロードサイトで「バックアップ」などと検索すれば、
「差分のあるファイルだけを自動で判断して上書きするソフト」
などが無償で提供されている。それを使えば、データのバックアップや
整合性を取るための時間が大幅に短縮できるのである。


このように、私たちが日々「不満だ」と思っていることは、
きっと、自分以外の人間も、同じように不満だと思っているはず。
だとすれば、その不満の解決策は、すでに誰かが考え出し、
その対処方法を実施している可能性が高い。

PCのデータバックアップの問題にしても、それと同じ悩みを
抱えている人がいるからこそ、フリーソフトが開発され、配布される。
最初にそのソフトを作った人は、誰よりも、その問題を解決したいと
願っていた。その結論が、ソフトウェアという形で提供されている。

さて、ここでも、あなたが「ソフトウェアエンジニア」ならば、
どう考えるだろうか? 「バックアップが面倒だ」という課題を解決するために
『自分でバックアップソフトを作ろう』と考えてしまうかもしれない。

たしかに、何事も自分で解決しようとする姿勢は大切である。
しかし、その行為は必ずしも『他人よりもすぐれたものを開発できる』という
保障にはならない。

最初は誰もが「自分が作ったほうが、もっと良いものが出来る」と
思ってしまう。自信があるからだ。
しかし、実際に作ってみると、いろんな問題に遭遇し、
やがて「やっぱり他人が作ったものを利用させてもらった方が早い」
という結論に達するかもしれない。

多くの人間が考えることは、そんなに大きく違わない。
つまり「自分と同じようなものを作っている人間がいる」
という大前提に立つならば、他人が作っているものをわざわざ
自分で作ることは、時間の無駄なのである。
つまり「他人から拝借できるもの」であれば、それを遠慮なく拝借し、
自分はもっと別の作業をやる。そのほうが人生の効率は良くなる。

これは、フリーソフトに限らず、会社のルールや仕組みにもいえる。
多くのサラリーマンは、自社の方針やルールに不満をもっているから
『もし自分が経営者ならば、もっと違うやり方、ルールを適用するのに』
と考えてしまう。もちろん、それで実際に上手くいくパターンもあるだろう。
だが、多くの経営者は「そうせざるを得ない理由」があるからこそ、
そのような仕組みをつくり、ルールを作っている。
つまり『今の仕組みよりも、もっと優れたものを自分なら作れる』
というのは、確率的に見ても、相当難易度が高いのである。

だとしたら「会社のルール」については、とりあえず誰かが作ったものを
そのまま拝借しておけばいい。わざわざ自分で作るほどの時間的余裕があるのならば
それに取り組むのも良いだろうが、多くの人は「会社のルールを作ること」を
人生の目的にはしていない。もっと別の「成し遂げたい何か」があるはず。
会社は、その夢を実現させるためのツールに過ぎない。

忙しい私たちが、人生を効率良く楽しむためには
「他人が作ったソフトウェア、仕組み、ルールを拝借する」という
図々しさも必要なのである。なんでもゼロから自分で作っている暇は無いし、
それが「優れたものを作れる秘訣」だとも限らない。
道具は利用する。他人が作った道具でも遠慮なく借りる。
それが、人生の成功スピードを加速させるための極意なのである。

(次回につづく。)

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※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2005 無断転載を禁止します。コメント、トラックバック等はご自由にどうぞ。


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