2005年08月22日

すべてのビジネスは、人の命を預かっている。

先日、レストランで食事をしていたら、
同じフロアにいた客の一人が、急に苦しみだした。
連れの女性が「救急車呼んでください!」と叫んでいる。
倒れた原因は分からない。どうやら持病らしい。

救急車を呼ぶ店員さん。私自身は、どうすることもできず、
ただ、その光景を眺めているしかなかった。
5分ぐらいして、救急車が到着。
せめて協力できることはないか?と思い、
ストレッチャーが通り易いように、店内のテーブルと
椅子を端に寄せた。

他の客も、ただボーっと見ているしかなかった。
一人の店員は、ずっと倒れた客についていたが、
その他の店員は、救急車を呼んだ後は、とくに
できることがない。だから、ごく普通に、他の客に
料理を運んだり、会計をしたりしていた。

誰かが目の前で、助けを求めているのに、
どうすることも出来ない時、人は無力感を感じずには
いられない。自分が逆の立場だったらどう思うか?
なぜあの人たちは・・・と思うかもしれないが、
同時に『なにもできないこと』も理解している。

しかし「本当に何もできないのか?」を改めて
考え直してみると、たとえ直接的にはできないことが
あっても、間接的にできることはたくさんあるという
事実に気づくことができる。

例えば、私はIT業界で通信システムの設計開発に
携わっているが、システムも機械なので、たまに「止まる」
ことがある。つまり「通信ができない状態」になるのだ。
端的に言えば「電話がつながらない状態」である。

このような通信エラーが起こらないために、
ITエンジニアは必死になって、安定したシステムを開発し、
24時間稼動している状態を保つように全力を注ぐ。
だが、実際に働いている現場においては、ときとして
「1秒や1分ぐらい止まっても、どうってことないだろう」
という甘えが出てしまうのも事実。

たしかに、ほんの少しの時間、通信が止まったとしても、
どれだけの人間に影響を与えるのか? は疑問である。
しかし、その甘さが、時として人の命を奪う危険も
あるのだとすれば、それでも、その甘さは許されるのだろうか?

誰かが1分1秒を争って救急車を呼ぼうとしているとき、
電話がつながらなかったらどうなるか?
無線で通信できなかったらどうなるか?
その可能性がゼロではない限り、少なくとも通信業界に
関わるエンジニアたちは「人の命を預かっている」という
ぐらいの覚悟をもって、日々の仕事に取り組むべきなのではないか?

他にも、交通、鉄道、道路、水道、電気、ガス、郵便など、
社会のインフラを支えるビジネスに携わる人間はみな、
そのことを自覚すべきである。それが間接的に「人を救うこと」
になるからだ。

私は、同じレストランのフロアで苦しんでいる人を
直接的には助けることができなかった。
だが、今自分が担当している業務を通じて、
間接的に他の誰かを助けることはできる。

「すべてのビジネスは人の命を預かっている」という前提に立って
仕事に取り組めば、そう簡単に手を抜いたり、サボったりはできないはず。
それぐらい「強い信念」をもって取り組んでこそ、真のビジネスマンと
いえるのではないだろうか。

(次回につづく。)

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この記事へのコメント
世の中なにがあるかわかりません。。。
いかがなもんなんですかね。。。
Posted by ヨン様の秘密 at 2005年08月29日 17:44