2005年08月10日

自分で情報を集め、自分の意志で決める。

21世紀は「価値観が大きく変わる時代」だと言われているが、
それは、就職や起業についても、例外ではない。

事実、就職しないフリーターやニートと呼ばれる人たちが増えているのは、
ある意味、彼らが「それでいい」という価値観を自覚したからであると言える。
国家財政的に見て、それが「良い、悪い」は別としても、彼らが自分の人生に
そのような価値観を見出してしまったのは事実。その価値観を変えさせるのは
簡単なことではない。

「二極化」の意味するものは、価値観の二極化である。
それが結果として、経済的な二極化を生んでいるにすぎない。
「今の年収でいい」という価値観と「もっと稼ぎたい」という価値観。
どのような人生を送りたいか次第で、求める経済的利益の大きさは変わる。

このように、社会の価値観を1つの方向に集約できない状態は、
今だかつて、だれも経験したことがなかっただろう。
例えば、私は1977年生まれだが、私の親の世代(いわゆる団塊の世代)の
価値観では、結婚や就職は、ごく当たり前の「人生設計のスタンダード」として
認識されていたはずだ。

もし、あなたが私と同年代(20代後半から30代前半)の未婚者で、
親から「まだ結婚しないの?」と聞かれているとしたら、
それは、親の世代が「結婚こそ幸せの象徴である」という価値観を
持っているからに他ならない。
つまり「まだ○○しないの?」という表現は
「人生においては○○をすることがスタンダードなのだ」という
主張なのである。

たしかに、情報が少なかった時代には、誰もが画一的な価値観に
染まりやすかったことは否定できない。「結婚=幸せ」という価値観。
だが、情報が氾濫し、あらゆる媒体を通じて「本音や裏の部分」が
浮き彫りになった現代では、もはや画一的な価値観は成立し得ない。

具体的に言えば、それは「有名人の離婚騒動」や「不倫をテーマにしたドラマ」
などである。結婚した後、その夫婦がどのような結末を辿っているのか?
その真実を垣間見ている若者は、もはや結婚に対して「絶対的な幸せが得られるという
信頼」を失っている。

つまり、親の世代は「結婚したら?」と言うが、メディアでは「離婚」の文字が
踊っている。この究極の矛盾状態においては、価値観が二極化しないほうがおかしい。
「右に行け」という人と「左に行け」という人。その両者の意見を統合させるのが
不可能なのだから、どちらも認めて、自分に最適なほうを各自が選ぶしかないのだ。

では、就職や起業についてはどうか? 結婚と同様に「就職に対する絶対的な信頼」は
もはや失われている。だが、それが始まったのは、ごく最近の時代。
少なくとも、1990年中盤は、今ほど「起業」は騒がれていなかった。
つまり「起業への幻想が始まった」のは、比較的新しい時期なのである。
インターネットの本格的な普及と共に起業ブームが波に乗ったのならば、
Yahoo!やGoogleが広く認知され始めた1996〜1998年ごろが、
起業ブームの走りだと定義できる。

だからこそ、2005年という今の時代は「起業ブームに踊らされている風潮を
冷静かつ客観的に分析」しなければならない。
そもそも「1つの生き方に絶対的な信頼」を寄せること自体が最大のリスク。
「起業すれば幸せになれる」という幻想は、つまり「結婚すれば絶対に幸せになれる」
という画一的な価値観を押し付けていた頃の幻想と似ている。

幸せな結婚もあれば、不幸な結婚もある。もちろん、離婚する夫婦すべてが
不幸だとは言い切れないが、少なくとも「結婚することを辞める」という意味では、
「一緒に過ごさない人生」のほうが快適だと感じていることだ。
どんな人生を快適だと感じるかは人それぞれであり、その価値観を統一することは不可能。

起業についても、今は「起業して成功した人たち」ばかりがクローズアップ
されているから、明るい未来を想像させているに過ぎない。
だが、起業して「失敗した人」の情報が氾濫するようになれば、
いずれ「起業への幻想」も薄れ、その魅力は消えてなくなる。

このような不安定な時代に求められるスキルは
「真実を見抜く情報収集能力」である。誰か一人の意見に流されたり、
一方的なメディアの情報を信じたり、身内や親の言葉だけを鵜呑みにする必要はない。
今は、10年前と比較しても「情報収集への敷居」は格段に低くなっている。
それを活用すれば、私たちは「自分の生き方を決めるための情報」を簡単に低コストで
集めることができるのだ。

「価値観の変化」とは、つまり「多様化」である。
情報が増えたから、それに応じて、解釈の視点も増えた。
だから価値観が多様化しただけ。
そして、情報は「増えた」というよりも、今までもそこにあった。
ただ「集める手段」がなかっただけ。

だから、私たちは、本質的に大昔と何も変わっていない。
つまり「過去の人間が犯してきた間違い」を、再び繰り返す恐れがある。
では、そうならないためには、どうすればいいのか?
答えは1つしかない。自分で情報を集め、自分の意志で判断し、決めることである。
それが出来る人間だけが、時代を超えて、自分らしい生き方を継続できるのである。

(次回につづく。)

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※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2005 無断転載を禁止します。コメント、トラックバック等はご自由にどうぞ。


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この記事へのコメント
世の中なにがあるかわかりません。。。
いかがなもんなんですかね。。。
Posted by ヨン様の秘密 at 2005年08月29日 17:44