大和賢一郎+ターレス今井(著) 本体1300円 ISBN 4-479-79157-4 大和書房
会社に行くのが10倍楽しくなる! コレを読む前に辞めると後悔します。

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成功が「満足」なのだとすれば、成功とは永遠に手に入れられない
ものかもしれない。あるいは「一瞬で終わるもの」と言ってもいいだろう。
もし「現状に100%満足」しているのならば、それ以上を求めることはない。
だから商業活動が停止してしまう。それはそれで厄介なことだ。
人間の欲望は果てしない。1つ目を手に入れたら、次は2つ目を手に入れたくなる。
しかも、その執着は、1つ目のときよりも強くなる。恐ろしい。
私自身、昨年の秋に1冊目の著書を出し、おかげさまで重版も決まった。
そして今年春、2冊目の新刊。本来ならば「出せただけ」でもありがたく思うべきこと。
しかし、私の感情は「もっとたくさん売りたい」という欲望に押し流されそうになっている。
配本が始まると、私は都内の大手書店を見て回る。
自分の本が平積みされているのを見ると、嬉しく感じるものだ。
しかし、同時に「強烈な嫉妬心」が湧き上がってくる。
自分の本の隣に置いてある本を、ある客が手に取ったとき、
『なんで俺の本を取ってくれないのか!?』と思ったりもする。
私はなんて欲張りな人間なのだろうか。
本は「出すまで」が大変だが、「出したあと」はもっと大変だ。
1冊でも多く売れるように、なんとか知恵をしぼらなければならない。
悩みながら書店を歩いていると、入り口付近に有名作家の新刊が
数多く並べられているのを見かけた。初版で数万部。すごい影響力だ。
著者の世界では「著者の世界なりの競争」がある。
「出すまで」も競争だが「出してから」は、さらに熾烈な競争がある。
私たちは、どこまで行っても永遠に「競争からは逃れられない」のだろう。
だから、3冊目、4冊目をこれから先、出せたとしても、同じ悩みは
ずっと続いていくことになるはずだ。
私自身、当初は「一生に一度、一冊だせれば十分」だと思っていた。
しかし現実はそうはいかない。1を手に入れたら2がほしくなる。
これはすべての商取引、あらゆるビジネスにあてはまる原理原則なのだろう。
1億稼いだら、つぎは2億。
そうやって欲望はエスカレートしていく。
だから永遠に「満足」することはないし、
できたとしても、その感情は一瞬しか続かない。
これが「今の立場を軽く見てしまう要因」なのかもしれない。
「もっと!もっと!」と先を求めるから、今手に入れているものの価値を
見失ってしまう。サラリーマンの仕事でも同じだ。
かつて、多くのサラリーマンは、今の勤務先に入るために、
学生時代、どれだけの努力をしてきたのか?
受験競争を勝ち抜き、やっと手に入れたポジション。
しかし、その喜びも長くは続かない。社内での競争に翻弄される。
競争は死ぬまで続く。永遠に。どんな業界でも。
もちろん「今の状態に満足して甘んじること」は善ではない。
しかしそれは「今の状態に価値を感じなくてもいい」という意味ではない。
本を出したいサラリーマンからすれば、私は
「2冊も出しておいて、ぜいたくなことを言うな」というふうに
見られているのかもしれない。でも私の本心は『もっと売りたい!もっと出したい!』
なのである。これが正直な気持ちだ。
正社員であるサラリーマンも、就職できないフリーターからすれば
「正社員でありながら、ぜいたくなことを言うな」と思われているかもしれない。
にもかかわらず、正社員の中には「会社を辞めたい」と思っている人たちが少なくない。
けっきょく、人間はどのような状況に置かれても「今、自分が手に入れているものの価値」
には気づかないのだろう。
だから、自分の中に「もっと欲しい」という欲求が生まれたときには、
それを大切にしつつ、同時に「現状に感謝する気持ち」も忘れてはならない。
自分を支えてくれた存在を思い出し、傲慢さを捨てる。
その謙虚さを持っていれば、自然に次のステージにいけるはずだ。
(次回につづく。)
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