2006年02月27日

「認知」の価値

辞めるなんてもったいない! 入社3年たったら読む本(ありがとう重版決定!)
大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
巻末付録「絶対後悔したくない退職準備マニュアル」付き!!

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「認知」という目に見えないものには、どれだけの価値があるのか?
企業が多額の宣伝費をかけてブランドを構築するのも、
けっきょくは「社名」や「商品名」に対する「認知」が欲しいからだ。

そして認知とは、数値化しづらいものであるため、
『どれくらい認知されているのか?』が把握しづらいのも事実。
認知度調査というのもあるが、あれがどのような領域で調査されたかによって
結果は大きく変わってくるだろう。

テレビCMの視聴率さえ、必ずしも認知度には直結しない。
さらには認知にもレベルがあり「どれだけ深く知っているか?」
により、その価値も大きく変わってくる。

事実、我々が商品を買うときは、その商品名あるいはメーカーを
ほぼ間違いなく「知っている」ことが多い。
だが、その「知っている」のレベルに到達するまでには

・なにそれ?
・ああ、なんとなく聞いたことあるかも
・名前は聞いたことある。
・そういえばテレビで見た
・知っている
・ファンである

のように、心理的な階段をいくつも上っている。

企業の市場価値を決めるのは、この認知度であるかもしれない。
特に直接消費者に対して商品を販売するようなビジネスの場合、
後発組みのブランドが老舗ブランドに勝つのは容易ではない。
レクサスのようにトヨタブランドの血統を持っていたとしても
メルセデスやBMWのような「すでに中古市場に出回っているほどの
歴史が長いブランド」に勝てるようになるまでには時間がかかるだろう。


さて、サラリーマンの場合はどうか?
会社で働いているということは、社内外で「認知」されている
ということである。あなたはどんな社員で、どのようなスキルを
持っているのか? いかなる人脈を築いているのか?
それが周りの社員もしくは取引先に認知されているからこそ
日々のビジネスが回っているのだ。

つまりサラリーマンは、入社後何年もかけて築き上げてきた「認知」
に高いブランド力を実感するべきなのだが、残念ながら
「給与明細の支給額」にしか価値を感じていない人は少なくない。
そこに大きな落とし穴がある。

たとえば、どんなに実力を持っていたとしても、
その実力は「認知」を土台として発揮されるものであるという
事実を忘れてしまっているのだ。
周りからの期待や信頼。それがあってこそスキルは生きる。

だが、それまでの認知を捨ててしまうような転職をすると、
たとえスキルだけが強くても生き残れなくなってしまうかもしれない。
転職先の会社では、あなた自身の認知をゼロから構築しなければ
ならなくなる。ゼロからブランドを立ち上げるようなものだ。

レクサスがメルセデスやBMWと比較して
性能的に優れているか?は分からない。
だが、我々が自動車を選ぶときは、必ずしも性能だけで
選んでいるわけではない。過去に築き上げられたブランド、
つまり「認知」も、大切な選択基準になるのだ。

高性能な社員、つまり高いスキルを持った社員でさえも、
まったくブランド(認知)がないところでは、苦戦を強いられるかもしれない。
それを覚悟の上で転職するならいいだろう。
しかし「目に見えない認知という名のブランド」の存在を忘れて
己の実力を過信してしまうようでは、ビジネスはうまくいかない。

昔からあるブランド。長く続けているブランド。
あなたが今の勤務先で築き上げてきた「認知」には
どれだけの価値があるのか? そして今後、どのような
ブランドとして育てていきたいのか?

ビジネスで長期的に成功するためには、
「目に見えないもの」の価値を大切にし、
自分の存在を客観的に判断する視点が欠かせない。

(次回につづく。)

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※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2005 無断転載を禁止します。コメント、トラックバック等はご自由にどうぞ。書籍『辞めるなんてもったいない!入社3年たったら読む本(大和書房)』全国書店にて好評販売中
  
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2006年02月24日

一番簡単な「自己投資」こそがメインの投資

辞めるなんてもったいない! 入社3年たったら読む本(ありがとう重版決定!)
大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
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私はIT企業で働いているが、IT関係の参考書には高額なものが多い。
とくに開発言語系の参考書は、値段が2千円から3千円するのが相場だ。
海外の翻訳書になると5千円を超えることもある。さすがに本1冊5千円は抵抗がある。

だが今では、それぐらいなら気にせず買うようになった。
「買うようになった」というよりは「買うようにしている」といったほうが正解だろう。

私は手帳に掟(おきて)の言葉をいくつか書いている。その1つに
「本代はケチらない」というのがある。

何のために週末起業で稼ぐのか? 作家印税を娯楽に使うのもいいが、
今の自分がここまで来れたのも「自己投資を怠らなかった」からであることは事実。
5万円を越えるセミナーにも抵抗なく参加し、書籍代としては毎月のビジネス書に
3万円ほどを費やしてきた。そしてその投資が、今現金になって戻ってきている。

使えるお金に余裕が出てきたのだから、本業のIT知識についても
投資を惜しむ理由はない。本業でのスキルがアップすれば、他の社員が3時間かかる
仕事を1時間で終わらせることができる。そうすればあとの2時間は自分の時間だ。
好きなように、さらなる自己啓発に時間を割くことができるのだから。

お金と時間に同じ価値があることに気づいたとき、
会社での作業時間短縮が「自分の利益に直結すること」を
ようやく理解できた。正確に言えば「お金と時間」は同じ価値ではない。

お金の価値は変わる。インフレ/デフレがあるからだ。
だが時間の価値は、自分自身の「稼ぐ力」に比例する。
1時間でいくら稼げるのか? 1年でどれだけのビジネスを回せるのか?
そのスキルとモチベーションは人それぞれ違うが、少なくとも時間と
稼ぐ力は「掛け算の関係」にあることは間違いない。

私の会社の机には、高額な参考書が山積みになっている。
家に置く場所がなくても、会社に置いておけば邪魔にならないし、
見た目「知識人」的な印象を与えることもできる。それもイメージ戦略の1つだ。

企業によっては社内に図書館を設置しているところもあるだろうが、
お金に余裕があるのならば本屋で身銭を切って買ったほうがいい。
情報には鮮度があるからだ。発行年月日をチェックして、少しでも
新しい情報を買ったほうが効率はいい。そして自腹だと「本気で読む」
ようになるから、情報吸収効率は飛躍的に高まる。

週末起業で継続的に成功を続けている人はみな
自己への投資を怠っていない。頭の中にあるスキルが
「雪だるま式に膨らんでいくイメージ」を持てば、
自己投資の本質が理解できる。

最近は投資といえば「株」がブームだが、
もし「将来成長が見込める株」を見極めるだけの
スキルがあるのならば、その人は自分でビジネスを
興したほうが儲かるのではないか? と思うときがある。

「金持ち父さん」で有名なロバートキヨサキ氏も書籍の中で
『ビジネスオーナーの経験がなければ投資家として成功するのは難しい』
と述べている。投資する、しないの判断をする眼力をもっているのならば
投資家になる前にビジネスオーナーとして成功しているはずだと言うのだ。

たしかにそのとおりだろう。長期的な視点でビジネスを分析し
将来を予測できる人はそうそういない。いたら優秀な経営者として
手腕をふるえばいいのだ。他人に預けて増やすぐらいなら、自力で増やせばいい。

最近のデイトレードは、カジノのルーレット的要素が強い。
上がるか?下がるか?はまるで、赤か黒か?の確率に賭けているように思えてならない。

つまりそれぐらい「投資対象を見極めるのは難しい」ということだ。
だから私は一番簡単な「自己投資」をメインの投資だと考えている。
悩む必要はない。自分を選べばいい。ただそれだけだ。

(次回につづく。)

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2006年02月22日

「辞める/辞めない」のレベルを超えるとき

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大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
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メルマガ「幸せなサラリーマンになる方法」を創刊して
もうすぐ2年になる。このブログも「辞める/辞めない」の
気持ちを整理する目的で、メルマガに少し遅れて立ち上げた。

そしてずっと書き続けて、少しずつ答えが見えてきたような気がしている。
当初から「辞める/辞めない」は選択の問題であり、どちらが良い/悪い
は決められないということは、よく分かっていた。

だが最近は、そもそも「辞める/辞めない」を選択しようと
すること自体が、あまり意味が無いのではないか? とさえ思えてきた。
意味が無いというよりは、むしろ「焦点がずれている」といったほうが正確だろう。

では「辞める/辞めない」を切り分けるための「正しい焦点」とは
何なのか? それは「一人でやりたいかどうか?」である。

ビジネスは大きく分ければ「個人プレー」か「チームプレー」かの2つだ。
作家、プロゴルファー、ピン芸人などは個人。それ以外の一般企業はすべて
チームプレーヤーである。

ここでは「プロゴルファーもキャディーに支えられている」などの
哲学的な話は置いておく。ようするに「自分ひとりの責任ですべての行動を
決めることができる職業」は、個人プレーだと定義する。

いうまでもなく、個人プレーでは「できる範囲」が限られる。
個人で上場することは不可能だし、道路や通信などのインフラを作ることも無理だ。
だが、娯楽やコンテンツなどの「アプリケーション」なら個人で作成できる。

つまり「辞める/辞めない」の問題ではなく
「個人でやるか/組織でやるか」の問題だったのである。

では、組織でやるビジネスの場合、なにが問われるのか?
「ポジションにどこまでこだわるか?」である。
野球で言えば『自分がファーストを守れないのならばチームが優勝しても
嬉しくない』という考え方。これは自己中心的な思考だ。

ようするに「自分が社長になれないのならば、この業界で働く意味は無い」
と考えてしまう社員が、独立して成功できるとは到底思えない。
業界を愛し、チームを愛し、仕事に誇りを持っている人間に、人はついてくる。

もっと分かりやすく言えば『会社がイヤで辞めたような人間についてくる社員は
いない』ということだ。サラリーマンの生き方を否定するような社長の下で
誰が働きたいと思うか? あり得ない。

だとすれば「会社がイヤで辞めた」という人は、もはや「ピン芸人」として
生きていくしかない。上場はおろか、社員10人すら集められないだろう。

しかし、中には「辞めて会社をつくって上場させたい」という高い志を
もっているサラリーマンもいるだろう。彼らはサラリーマンの生き方を
否定するか? 答えはNoだ。

監督が選手の人生を否定してチームがまとまるはずがない。
志の高い社員、つまり優秀な社員ほど、組織をつくることの意味をよく知っている。
教育の問題、ルールの問題、賃金の問題。すべてに理由があり、必要悪もある。

そこまで考えた上で、それでも辞めたいと思うのならば、
その時点で思考レベルはかなり高い位置に到達しているに違いない。
それは「会社がイヤだから」というレベルではなく、もっと大いなるビジョンや
夢、そして野望に満ち溢れている世界。

そこがどこで、いつそこにたどり着けるかは分からないが、
少なくともそれが見えるまでは、まだ会社でやることがたくさん
残されているような気がしてならない。

(次回につづく。)

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2006年02月20日

部下の私用メールをチェックする上司

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大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
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「行列のできる法律相談所」で、つぎのような話があった。

--------------------------------------------------
会社のパソコンにおいては、上司が部下のメールを
チェックしてもプライバシーの侵害にはならない。
--------------------------------------------------

この是非はさておき、会社のメールを私用で使うことは
誰にも経験があるだろう。だからチェックされたくない内容が
送信済みアイテムとして残っていることは少なくない。

それを監視する目的で上司が部下のパソコンを
チェックするようになると、はたしてそれで
私用メールが減るか? そんな単純な問題ではない。

チェックされる前に削除すればいいだけだ。
証拠を残さなければチェックされてもまったく気にならない。

つまり「チェックを厳しくすること」は「私用メールを防ぐ」
という意味においてはあまり効果が無い。

では、この「私用○○」の問題は、根本的には
どうすれば解決するのか?

これを解決する方法が1つあるとすれば、
企業が「時間に対してお金を払うことをやめる」である。

日本の企業は「時間」に対してお金を払うが
アメリカの企業は「仕事」に対してお金を払う。
つまり「結果」さえ出してくれるのならば、その仕事に
何時間かけたか? はあまり重視されない。
極端な話、遊んでいてもいい。

あなたが雇う側ならば、どちらの社員を雇いたいと思うか?

A.短時間で利益を上げ、残った時間は私用メールをしている社員

B.私用メールはしない真面目な社員だが、結果が出せず赤字。


会社が利益を生み出さなければ、会社はつぶれてしまう。
株主からの風当たりもつよくなる。
ここで大事なことは「私用メールをしているかどうか?」ではなく
「いくら稼いでいるのか?」なのだ。

つまり「結果主義」にすれば、私用メールの問題なんて
どうでもよくなる。もちろん「個人情報保護」の観点から
社員のメール送受信を取り締まる必要はあるだろうが、
「社員の時間管理」という観点では、あまり意味が無い。

だとすれば「部下のメールをチェックするヒマがあれば、
どうすればチームの利益が上がるか?」を考えるべきなのだ。
そのような方向に会社がシフトするためには、まず
「時間にお金を払う」という概念を捨て去らなければならない。

携帯電話も含めて、これだけ通信インフラが発達した状態では、
どんなに監視を強めたところで、物理的に抑制するのは不可能。
通信インフラの改革は、もはや社員の労働条件の改革までも
引き起こしている。

「真面目であること」と「利益を生むこと」は必ずしもリンクしない時代。
われわれが欲しているのはあくまでも「結果」であり、プロセスはそれほど重視しない。
商品を買うときも同じだ。時間をかけて作られたものでも、気に入らなければ買わないのだから。

そして、会社が「社員を時間で管理する」のは
「社員の生み出した利益を正確に判定すること」への怠慢でもある。
評価することの面倒さを「時間管理」という分かりやすい指標に
押し付けているのだ。だがいつまでもそんな体勢が通用するはずはない。
「時間による管理の限界が見えること」こそ、もはや時間の問題である。

(次回につづく。)

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2006年02月17日

発言したければリスクを取るしかない

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大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
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発言権の有無。
それは「リスクを取れるか?取れないか?」で決まるものだ。
つまり「リスクを取れない人間」には「発言権は与えられない」ということだ。

先日、組合の職場討論会があった。
いつものことだが、話の流れはつぎのように終始する。

---------------------------------------------

社員A『給料ベースを上げるように交渉してください』

組合執行部『それはやっています』

社員A『もっと評価に差をつけるべきでは?』

組合執行部『そうなると下がる人も出てきますが・・・』

社員A『最低限のレベルは保障してほしいなぁ』

---------------------------------------------

ようするに「下がるリスクはとりたくないが、上げてほしい」
という、極めて自己中心的な意見である。
このような考え方では、ビジネスでも株でも不動産でも、
どんな取引でも成功することは難しいだろう。

大切なのは「リスクを引き換えにして、どんな要求をするか?」に尽きる。
最近は「ノーリスク」という言葉も頻出しているが、それは
「ある一面においてのリスク」がゼロであるだけで、
多方面から見たらリスクだらけなのだ。つまり「リスクの属性」の
選択でしかない。

たとえば週末起業においても、いきなり会社を辞めてする起業に比べたら
金銭的なダメージとしてのリスクは少ない。だが
勤務先との関係を維持するとか、法人取引における信頼性の問題とか、
さまざまな課題は発生する。つまり金銭的なリスクを避けるかわりに
その他の精神的な面でのリスクを背負うことになるのは確実である。

投資信託系の金融商品でも、元本保証の色合いが強くなればなるほど
それほど大きなリターンも期待できないのだから、そもそも通常の貯蓄と
なんら変わらなくなる。つまりあれこれ商品を比較検討しても結局は現状維持
なのだとしたら、そのほうが「時間のムダ」という意味で大きなリスク
かもしれないのだ。

つまり、どんな決定においても、最終的には「リスクを取れるのか?」を
問われることになる。その結論が出ていないうちは議論をしても無駄である。
「リスクをとる覚悟の上で討論をしたい」という腹が据わっていないうちは
議論ではなくたんなる「愚痴のこぼしあい」に終始してしまうのだから。

だとすれば、討論における司会進行役は、つねに中立的な立場で
リスクとリターンを比較して、それを分かりやすく説明しなければならない。
そこで最終的には、組織としての結論を出さなければならないのだが、
多数決をとるにしても、まずは各個人が「リスクを取れるのか?」について
答えを出すことが先決である。

グチを言い合うための場所なのか?
それとも前向きにリスクをとることを検討する場所なのか?
その方向性が明確にならない限り、大企業社員の組合離れは今後も加速するだろう。

(次回につづく。)

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2006年02月15日

社員が組合のイベントに興味を示さない理由

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大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
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国民が政治に無関心であるのと同じように
「社員が組合の活動に無関心である」ことは少なくない。
特に大企業においては。

本来、組合は「社員を代表する組織」であり
「社員のために活動する組織」である。
それなのに、社員が無関心になってしまう原因は
どこにあるのだろうか?

社員と組合の問題を考えるときは、
国民と政治の問題を考えると、参考になる点が多い。

たとえば「なぜ選挙に行かないのか?」という理由。
面倒というのもあるだろうが、やはり大きな理由は
「自分への直接的なメリットが感じられない」という点だろう。
自分が投じた一票が、具体的に「自分にどのような見返りを与えるのか?」
が見えない。どの政党が勝ったところで、自分の給料が1000円上がる保障はない。
だったら「1000円勝つためにパチンコに行く」というサラリーマンが
増えても、文句はいえないのが現実だろう。

つまり、国民が政治に無関心になってしまう原因は
「利害の個人性が低い」からである。範囲と概念が大きすぎるのだ。
「日本を良くしたい、国の借金を減らしたい」という大きなビジョンには
反対する日本人はいないだろう。だれもがそう願っている。
だが、そのために「自分の給料が下がる」となれば話は別だ。

地球規模で考えてみると、たとえば「温暖化は阻止しなければ」
という点は、全人類に共通する課題である。
しかし、そのために自腹でハイブリッドカーを買うか?
といえばそれはちがう。低コストのディーゼル車に乗り続けたりするのだ。

つまり、すべての人間は、究極的なビジョンでは利害が一致しているのだが、
個人的な利害では一致することはない。それが地球環境への無関心さや
政治への興味の薄れ、ひいては組合への活動に興味を示さないことの
根源的な心理要因なのである。

さて、それを前提としたうえで、
どうすれば社員が組合の活動に関心を示すようになるのか?
方法があるとすれば、それは「個人の利害にクローズアップさせること」だろう。
つまり、社員それぞれが、組合のイベントに参加することで
「個人的にどのようなメリットが得られるのか?」を考える。
それを見い出せれば、黙っていても社員は自分から積極的に
組合に協力するようになるだろう。

次のような格言がある。

----------------------------------------------

 人は思わぬ動機で仕事をしている。

----------------------------------------------

たとえば会議でも、本来ならば「会社の売上を上げるため」だったり
「問題を解決するため」に参加するものだが、ある参加者は
「自分のディベート力を誇示するため」に参加しているかもしれない。
つまり、動機は人それぞれ違うということだ。

さて、組合に協力的であることの「社員本人のメリット」には
どのようなものがあるのか?

たとえば「社員としてのイメージがよくなる」という考え方もあるだろう。

年齢も実力も同じぐらいの社員が2人いるとして、
片方は組合に積極的に参加、もう片方は会合にも参加しない無関心派。
あなたが上司ならどちらを高く評価するか? 心理的に前者である可能性は高い。

そして「組合の活動からノウハウを学ぶ」という視点もあるだろう。
組合の基本的な立場としては「社員と会社との板ばさみ」であることは事実だ。
社員からは「ボーナス上げろ」と突き上げられ、会社から「そろそろ妥協してくれないか」
と詰め寄られる。このような2つの圧力を受けながら、どのように立ち回り、
組合員をまとめ、活動していくのか?
そのテクニック、ノウハウは「中間管理職が上司と部下との板ばさみにおいて
立ち回る方法」にも応用できるかもしれない。

組合の本来の目的に興味をそそられないならば、
個人的なメリットを探し出し、それだけに焦点をあてて
積極的に参加してみる。そうすれば、組合のような政治的な
イベントでさえも、すべての社員が楽しくとらえることができるだろう。
そして各人が「自分の問題」として真剣に考えることによって
組織は発展し、業務環境や労働条件も改善されていくのである。

(次回につづく。)

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2006年02月13日

組合が抱える最大の問題点

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組合のある会社は、その時点ですでに「ない会社」よりも恵まれていることは明らかだ。
そして「組合があるのが当たり前」だと思っているサラリーマンも少なくない。
特に大企業の社員においては。

そして「当たり前である」がゆえに、それに対する関心も薄れてくる。
かつて日本人は選挙権を取得するために必死になった。それを忘れている有権者。
選挙に行かない人がいるのと同じように、組合の活動に関心を示さないサラリーマンは意外と多い。

無関心である理由は、つぎのようなことだろう。
・儀式的
・何も変わらない
・個人的にトクしない

どこかあきらめにも似た雰囲気だが、
それともう1つ問題になっているのは「知識の少なさ」である。

組合の活動テーマは、給与や賞与の交渉だけではない。
労働時間に関すること、残業や休日出勤に関すること。
これらは社会保険労務に関する知識がなければ、その実情と
問題点を正確に把握することは難しい。
組合の担当者でさえも、社労士ほどの深い知識を有しているわけではないから、
一般の社員にしてみれば、労働基準法なんて遠い世界の法律に聞こえるかもしれない。

さらには企業年金の問題。
公的年金でさえよく分からない現状において、
さらに企業年金や厚生年金基金という概念が入り込んでしまっては、
もはや社員は「自分の年金額さえ把握できない」という状況にならざるを得ない。
知識不足が無関心を加速し、無関心が組合離れを助長する。
それにより、本来ならば社員の意思を統合するはずの組合が、
なぜか浮いた存在になり、儀式的な交渉しかしていないような印象を与えてしまう。

そして、組合運営における致命的な問題が1つある。
それは「組合員同士の利害が一致していない」ということだ。
たとえば福利厚生について。すでに持ち家を手に入れている
中堅サラリーマンからすれば「寮・社宅に関する交渉」は、
正直『どうでもいい。自分には関係がないから』と思うものだ。
だが新入社員や、これから結婚しようと考えている社員にとっては、
寮や社宅の問題は死活問題であり、家計に直結する。

このように、組合員同士でも利害が一致しない項目は多い。
そのとき、いかにして組合執行部が社員の損得勘定を整理し統合していくのか?
どこに妥協点を求めるのか? 社員全体の利益をバランスよく
考える姿勢を見せなければ社員はついてこない。

組合運営には組合ならではの難しさがある。
だが社員の側も、それに頼りきり、任せきりではなく、
自分の問題として真剣に改善点を提案していくべきだろう。
個人的な利害と、会社全体の利害のことを考えながら。

(次回につづく。)

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2006年02月10日

メールで成功する人、失敗する人

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同じことを伝えるのでも、
その言葉遣い1つで、成功か失敗かの結果は
大きく変わってくる。

とりわけ、メールでの言葉遣いには気をつけなければならない。
声で話す会話とは違い、微妙なニュアンスを伝えるのが難しい。
相手の感情によっては、何気ない文章が怒りを誘発する場合もある。

ブログのように「自分が書きたいことを書く」という前提で
公開している場合なら、それほど気にする必要はないだろう。
文句があるのなら読まなければいいのだから。

だが個人宛に送るメールは、そういうわけにはいかない。
相手のメールボックスに自分のメールを送り込んでいる以上は、
やはり内容には気を配らなければダメだ。

たとえば「○○して下さい」というのは、一見すると丁寧語に見えるが
実際には命令後になっている。

 ・返信して下さい。
 ・連絡して下さい。
 ・検討して下さい。

これを上司が部下に宛てたメールだと思って読んだらどうなるか?
どう見ても命令文にしか読めない。

つまり、メールで相手に何かお願いをする場合は
・○○して下さい。
という表現を使うのは適切ではない。
使うとすれば

・ぜひ○○していただけたら嬉しいです。
・○○していただけますと、とても助かります。

のような表現のほうが理想的だろう。
これなら、相手に何か行動を強制するような表現にはなっていない。

このような、ちょっとした文書のテクニックが
仕事の成否を大きく分ける。
社内メールのやりとりでも、ちょっと気を抜くと
相手に威圧的な印象を与えてしまうことはよくある。
結果として相手が期待通りに動いてくれなければ、
そのメールを出すこと自体にメリットはなくなる。
せいぜい相手を不快にさせて、何も得るものが無く終わるだけだ。

ではこのようなミスを防ぐにはどうすればいいのか?
もし緊急を要するメールでなければ「書いてから寝かす」のが
正解である。「下書きフォルダ」に保存しておき、
数時間後、あるいは翌日に、あらためて読み直してみるのだ。
すると『この表現は誤解を与える』などの、細かな点にも気づくことが出来る。

このようなチェックを続けていれば、やがてチェック無しでも
「相手に好印象を与えるメール」が書けるようになってくる。
同じ1時間かけて書いたメール。それが「相手を不快にしてゴミ箱行きか?」
それとも「相手の心をつかんで行動を引き起こす」か、
それは送信者の意識1つで、どうにでもなるという事実を忘れてはならない。

(次回につづく。)

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※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2005 無断転載を禁止します。コメント、トラックバック等はご自由にどうぞ。書籍『辞めるなんてもったいない!入社3年たったら読む本(大和書房)』全国書店にて好評販売中
  
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2006年02月08日

古いやり方に固執する人たち

辞めるなんてもったいない! 入社3年たったら読む本(ありがとう重版決定!)
大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
巻末付録「絶対後悔したくない退職準備マニュアル」付き!!

内容・詳細はこちら

「大企業病」という言葉がある。
大手企業では組織が大きくなりすぎると、その中での
意思決定が遅くなったり、全体の動きが鈍くなったりする。
または古い体質に固執しすぎるため、身軽なベンチャーに
次々と追い越されたりする。巨艦は、小回りでプレジャーボートには勝てない。

消費者の側も、もはや企業ブランドだけで商品を選ばなくなっているのは
言うまでも無い。大量のマス広告費にお金をかけた分、そのコストが
商品価格に跳ね返ってくることは百も承知だからだ。

さて、企業で働いていると保険の勧誘によく会うことは前にも述べたが、
その多くは誰もが知っている有名大手生保会社である。
声をかけてくるときも『○○生命ですが』と、ブランドを前面に押し出してくる。
もちろんその手法は間違いではない。ブランドが効いた時代には。
しかし最近は「どの生保会社でも同じだろう」というのが正直な感想。
つまり、ある特定の生保会社を、イメージや義理以外で選ぶ基準が見えない。

だとすると、もはや大手生保会社もブランドに頼った戦略では
通用しなくなっているのだが、ここ1〜2年見ていても、その手法に
まったく変化がないのが現状だ。

本来、保険という商品は「義理」で買う商品ではない。
本人のライフプランにとってプラスになるのならば誰から買っても同じだ。
しかしBtoBtoCの場合は、毎日顔を会わせる保険の販売員を断る続けるのには
罪悪感を感じてしまう。だから購入動機は「罪悪感からの逃避」でしかない。

なぜもっと、保険商品のメリットや自社の訴求ポイントを
顧客に「ノーリスク」の状態で提供しないのか?
ノーリスクの状態とは「情報を聞いたら買わされる」という
恐怖心が存在しない状態である。
パンフレットを配っても「押し売りはしませんからご安心ください」
という態度ならば、受け取ってくれる人の数は今よりも10倍になるだろう。
だが現実には、1度パンフレットを受け取ったら、翌日以降もストーカーの
ようにつきまとわれ、契約書に判を押すまでは絶対に逃れられないアリ地獄に
引きずり込まれるのだ。それを知っているから「初対面のスキ」を
誰も見せようとしなくなる。そのため100人中99人は無視して通り過ぎるしかない。
日常会話さえも挨拶さえも成立しない。見ていて息苦しくなる。

これも大企業病の1つと解釈できる。
中小企業なら「今の販売方法には問題がある」とわかれば、
社長の即決ですぐに新しい手法を取り入れることができる。
無料相談会を開くとか、保険セミナーを開催するとか、
そのような「参加者に直接的なメリットのある情報」を
配布するほうが、よほど食いつきはいいはずだ。
もちろん「無理に売り込まない」というのが前提になるのだが。

組織が大きいと、これまでのやり方を変えるのは大変である。
だから販売員のストレスは溜まり続ける。売り込まれながらも
断り続けなければならない客もネガティブになる。
それでお互いに幸せな商取引が出来るのだろうか?

このような大企業病は、あらゆる業界にあてはまる。
サラリーマンならば内部で働いているからこそ分かるだろう。
「今までのやり方では限界が来ている」「新しい手法をそろそろ試してもいいのでは?」
しかしその1段の階段を上れず、10年前のマニュアルを片手に
商品を売り歩いている営業。その人的コストは最終的には
顧客や株主の利益を圧迫する。だがそれでも企業が存続している
ということは、やはり顧客が一番の負担を負っているということなのか。

このような問題を放置するのは簡単だが、
サラリーマンとして内部から1つでも改善できることがあるのならば、
それにあえて挑戦してみるのも、ビジネスとしては面白いだろう。
社内の反発を食らうかもしれないが。

(次回につづく。)

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2006年02月06日

システムを変えれば人は動く

辞めるなんてもったいない! 入社3年たったら読む本(ありがとう重版決定!)
大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
巻末付録「絶対後悔したくない退職準備マニュアル」付き!!

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私は車をよく使うのだが、高速道路の料金所で
「ETC専用」のレーンが増えてきた。
たとえば3つの料金ゲートがあるインターで、
2つが「ETC専用」になっており、残る1つは
「一般/ETC」となっていたりする。
つまり「もうこれ以上排除できない」というぐらい
一般者(ETCを搭載していない車)の肩身が狭くなっているのは事実だ。

こうなると、そろそろ真剣にETCを導入するしかないと
考えるようになってくる。もともとはハイウェイカードを
使っていたが、それも販売が停止された今では、
料金所でいちいち現金を受け渡すのは、たしかに面倒なのだ。

その点、ETCを導入してしまえば、寒い日の運転でも
料金所で窓を開ける必要がない。
カー用品店にいけばETCは簡単に取り付けられるだろうから、
近いうちに買いに行きそうな雰囲気だ。

さて、これはあきらかに道路公団が「ETCをつけろ」
と言っているように聞こえてならない。
料金所の人件費が節約できるからか?
もしくは「オルセ」と呼ばれるあの団体が
手数料で儲けるためなのか?
いずれにせよ、すべてのドライバーが
強制的にETCをつけざるを得なくなる日は近い。

もちろんETCを導入することは、ドライバーにとっても
メリットはある。ETCならではの割引サービスをうまく利用すれば
現金で支払うよりも便利で安くできるはずだ。

道路公団側もETC普及のために、あらゆる手を使ってくる。
最終的には「ETCにしないと損をする」という状況にまで
なってくるだろう。

このように「人を意図する方向に動かす」ためには
「システムを変える」ことが欠かせない。
ルールを変え、インフラを変えることで、人はそれに
従わざるを得なくなる。従うことのメリットを強調されれば、
多少の手間をかけてでも、新方式を受け入れるようになるのだ。

これは会社における組織管理にもあてはまる。
新しいルールを取り入れるためには「それを取り入れざるを得ないシステム」
を作りながら、同時に「取り入れることのメリット」を強調しなければならない。

サラリーマンにとっての成果主義がうまくいかなかった原因は、
評価システムだけを取り入れて「それを使うことのメリット」を
強調しなかったからだ。会社にとってメリットがあるものでも
社員にとってメリットがあるとは限らない。

今後、サラリーマンの雇用形態がどのように変化していくのかは不明だが、
たとえば在宅勤務や業務委託などのシステムが採用されることになった場合、
それを取り入れることの「社員にとってのメリット」をいかに訴求できるか?
が重要なポイントになるだろう。ただ「新システムに移行しなさい」と
命令したところで、足取りが重くなるのは当然だ。
ならば「新方式に移行することで得られる金銭的あるいは時間的メリット」
を伝えていくしか手は無いのである。

(次回につづく。)

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2006年02月03日

サラリーマンが会社でアイデアを出すことの意味

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大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
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私は「ビジネスブレーンストーミング」の発行者であるターレス今井氏と
対談CDを出しているが、以前彼のセミナーに参加したとき、彼は
とても面白いことを言っていた。

----------------------------------------
これからはアイデアの時代。
ネットで調べられる情報には価値がなくなる。
----------------------------------------

たしかにそのとおりだろう。
最近はノウハウを販売する起業が流行っているが、
一度流出したノウハウは次々と複製され
すぐに市場に出回ってしまい、やがては無料で検索
できるようになるから価値はゼロになる。

だとすると、大切なのは「ノウハウを集めること」ではなく
「そのノウハウを使ってどんなビジネスをするのか?」という
「アイデア」を出すことなのだ。この点について多くの人は異論がないだろう。

では、どうすれば斬新なアイデアは生まれるのか?
ブレーンストーミングの手法など、テクニック的なところも
たしかに大切だと思う。そして、それ以上に重要なのはやはり「体験」である。

もともと「ノウハウ」は「体験によって生み出されるもの」である。
自分が起業していないにも関わらず「起業ノウハウ」を販売している人は
薄っぺらい見せかけのノウハウしか提供できない。そこに実体験が伴わないから
リアルさが打ち出せないのだ。

それと同様に、アイデアも「実体験」を元にしなければ、斬新なものは
出てこない。たとえば普段「えんぴつ」と「消しゴム」を使っていない人が
「消しゴムつき鉛筆」を思いつくことができるか? まず不可能である。

洗濯機のゴミとりネットも「毎日洗濯している」という実体験があったからこそ
『なんとかしてゴミが衣類に付かないようにしたい』という欲求が芽生え
アイデアを商品化することができたのだ。実体験のなきところに
実現的なアイデアは生まれない。

これはサラリーマンの仕事にも言えることだろう。
実務を経験しないまま、アイデアだけを出そうとしても無理なのである。
実体験がノウハウを蓄え、同時にアイデアを出す土壌を作る。
そのような意味では「ノウハウ」と「アイデア」は表裏一体の存在であると
解釈してもいいだろう。

しかし、実務を毎日経験しているサラリーマンのすべてが、
アイデアを出すことに積極的であるとは限らない。
その理由は「改善の意識」が欠如しているからである。

すべての商品は「問題を解決するため」に存在しているといっても
過言ではない。つまり、現状の課題を把握し、それをよくする方法を
考え、提供することが「商品開発の基本」なのである。

ということは、どんなに実務経験が豊富でも「向上意欲」がなければ
アイデアは生まれないということだ。そして、向上意欲をもつ前段となる
考え方が「もっと成長したい」という個人的な欲求である。

私たちサラリーマンは、ときに「アイデアを出しても会社が儲かるだけ」
だと考え、積極的に改善に取り組もうとしない。
しかし「出したアイデア」よりも「アイデアを出せる頭」にこそ
価値があることを、私たちは忘れてはならない。

温泉の価値は「源泉」にあるのだ。「お湯」にあるわけではない。
熱いアイデアをお湯のように出し続ける頭脳。それをサラリーマン時代に
鍛えることが、自分にとってどれだけの資産を残すことになるのか?
会議やブレストで積極的に提案することの意味。それは誰のためでもなく
自分自身のためなのである。

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2006年02月01日

スカイプと在宅勤務

辞めるなんてもったいない! 入社3年たったら読む本(ありがとう重版決定!)
大和賢一郎(著)1300円 ISBN4-479-79131-0 大和書房
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スカイプの存在は以前から知っていたが、
なかなか使う機会がなかったので、インストールする
タイミングを逃していた。

だが先日、対談CDのパートナーであるターレス今井氏から
薦められ、私も使い始めたのだが、予想以上に簡単な設定に
驚いている。

私自身、導入前は
・音質が悪いのでは?
・設定が面倒なのでは?
・パソコンが重くなるのでは?
など、いろんな心配をしていた。
だが、実際につかってみると、そのような心配は
まったく無用だったことに気づいた。

さて、この便利なスカイプだが、今後もブロードバンド環境の
広がりとともに、確実に普及していくことは間違いない。
アウトルックやインターネットエクスプローラーを
使うのと同じように、スカイプも「当たり前のソフト」
として認識され、デファクトスタンダードになっていくことだろう。

さて、このような「通信環境の変化」が、
私たちサラリーマンの仕事や生活に
どのような変化をもたらすのか?
を考えてみよう。

現在、WEBカメラの仕組みを使って
お互いの顔を見ながら話すところまでは来ているが、
今後は、相手のパソコンの画面を参照したり、
操作したりすることができるようになるはずだ。

これはウインドウズXPの機能である
「リモートデスクトップ」を思い浮かべると
イメージしやすい。あるパソコンに、別のパソコンから
インターネット経由でログインし、あたかも
そのパソコンの前に座って操作しているかのように
デスクトップを自由に動かせるしくみだ。

この考え方をスカイプで使えるならば
「遠隔でパソコン操作を教える」ということは簡単だ。

たとえばサラリーマンの場合、職場でパソコンのトラブルが
発生したとき(あるいはソフトの使い方が分からないとき)には、
とりあえず詳しそうな同僚を呼んできて、パソコンの画面を見せて
操作してもらうだろう。それと同じことがインターネット経由で
遠隔地から可能になる。しかも通信料は無料で。

そうなると、もはや「物理的に同じフロアに座っていること」に
あまり意味はなくなる。つまり交通費や時間をかけて「出勤」する
意味が薄れてくるのである。会議でさえスカイプで可能になる。

となると、サラリーマンの在宅勤務形式を本格的に
採用しようと考える企業が増えてくることは間違いない。
スカイプは、パソコンの状態を「オンライン中」とか「一時退席中」など、
それぞれが設定できる。つまり「勤務時間中はオンラインにしておくこと」
というルールを決め、さらにその状態をWEBカメラでお互いに確認できる
ようにしておけば、出勤時間の管理においても問題はなくなる。
その上で、しっかりと結果を出せるのならば、なぜわざわざ
長時間かけて通勤したり、高い家賃をはらってオフィスビルを
借りる必要があるだろうか?

もちろん情報セキュリティの面においては気をつけなければならない
点は多いが、それもVPN(バーチャルプライベートネットワーク)などの
技術を使えばクリアできる。その他、暗号化やプロキシも含めて、
ファイアウォールを構築する技術者へのニーズも高まってくるかもしれない。

このような考え方は、比較的身軽である中小企業や
SOHO、ベンチャーが先行して取り入れ、そこで実績が認められたら、
少しずつ大企業にも浸透していくことだろう。

今年は2006年、インターネットが本格的に広がりはじめた1996年から
まだ10年しかたっていないのに、ここまで私たちの生活は変化した。
つまり今後10年、どんな世の中になるのか?は誰にも予想できないわけだ。

だとすると、私たちサラリーマンの働き方も大きく変わることは間違いないだろう。
そのときに備えて、今何が出来るのか? 会社という枠組みを越えて
一人のビジネスマンとしてどんな価値を世の中に提供できるのか?
それを真剣に考える時期が来ているのだろう。

(次回につづく。)

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