「質問」と「疑問」には、大きな違いがある。
「質問」には、相手に「気付き」を与える効果がある。
だが「疑問」は、ときとして、相手に「自信の無さ」という印象を
与えてしまうことがある。
よく、自分の発言を、すべて疑問形にしてしまう人がいる。
『私? ロングヘアー? 似合うって言われるのよね。』
なぜ「私」や「ロングヘアー」の語尾を上げて、疑問形にしてしまうのか?
その理由は『反論された時の防御』のためだ。
もし、上記の発言のあとに、
『でも私は、ショートのほうがかわいいと思うなぁ』
なんて言われたら、
『でしょ、私も本当にロングが似合うのかどうか微妙だったの・・・』
という流れにつなげることができる。
このように、反対意見の許容範囲を広げるために、
つい疑問形にしてしまうのだが、それは「自信の無さ」を
相手に感じさせてしまうので、ビジネスの場においては、
相手に与える印象が悪くなってしまうことがある。
会話を疑問形にしてしまう人は、その発言のなかに
何らかの「答え」を求めている場合が多い。
それは、肯定かもしれないし、否定かもしれない。
または、同意や共感かもしれない。
先ほどの
『私? ロングヘアー? 似合うって言われるのよね。』
の場合、その裏には
『私に似合うのは、本当にロング? それとも ショート?』
という「答えを求める心理」があるのだ。
つまり、これは本質的に「疑問」ではなく「質問」なのである。
端的に表現すれば
『私に似合うのはどちらだと思いますか? 1.ロング 2.ショート』
という、単なる2択の質問なのである。
このように、日常会話においては、簡単に言えば「質問」で
済むものを、あえて「疑問形の発言」に置き換えて表現することがある。
もちろん「会話をコミュニケーションとして楽しむ」という目的に
おいては、それもよいだろう。
だが、スピードが求められるビジネスの現場においては、
常に「端的な質問にして聞く」という姿勢を忘れてはならない。
でなければ、無駄な会議やミーティングで、
相手の貴重な時間を奪ってしまうことにもなるし、
自分自身も、求める結果が得られないので、誰にもメリットは無い。
具体的に考えてみよう。あなたが、
仕事で新しい案件に取り掛かろうとしている場合。
同僚に対して、次のような発言をしたとする。
『あの案件? なんだけど、
まぁ、俺の今までの経験? も役に立つと思うんだよね』
これを聞いた同僚は、何と答えればいいのか?
「そうだね」とか「ふーん」としか言えないのではないか。
発言する前に、自分が「どんな答えを求めているか?」を
しっかりと把握しておかないと、期待する返答は得られない。
この場合
・この案件を自分が担当すべきか? Yes / No
・この案件を成功させるために必要な経験は何だと思うか?
のような質問に置き換えることができる。
このように、明確な答えを求める質問を受けたら、
同僚も、自分の意見を発言するしかない。
少なくとも「そうだね」や「ふーん」で流すことはできなくなる。
会話の展開次第で、自分に有益な情報が引き出せる状況があるのにも
かかわらず、それをうまく自分のものに出来ない場合、
その原因はどこにあるのか?
最初に改善すべき点は、自分の発言の中にある。
いかに「相手に伝わりやすい端的な質問」ができるか?
それが『欲しい情報』を手に入れるための、最善のテクニックなのである。
(次回につづく。)
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