2005年04月18日

主役の存在感は脇役によって支えられている

「適材適所」という言葉がある。
どんなに優れた人材でも、その人に与えられる
仕事の内容や環境に問題があると、本来の実力を
発揮できないという考え方。

たしかに、そのような面もある。
しかし「適材適所」という言葉の意味を取り違えると、
自己の成長を妨げることにも繋がるので注意が必要だ。

例えば「今の自分が成長できないのは、適切な仕事を
環境を与えていない会社側の責任だ!」という考え。
たしかに、それも一理あるかもしれないが、
そこで文句を言いつづけたところで、現状が変わらなければ
意味は無い。ただ不幸な毎日を歩むだけだ。

では、どうすればよいのだろうか?
一番大切なことは「適材適所の本当の意味」を
考えることである。

優れた人材というものは、どのようなポジションに
付いたとしても、そこで最大限の能力を発揮する。
言わば「万能包丁」なのである。何でも切れる。どこでも使える。

となると、もう万能包丁以外の刃物は必要なくなるのだ。
それが「どこでも通用する人材になる」ということ。

しかし、この考え方に対して
『人間は万能ではないのだから、包丁のように
なんでもかんでも切れるような能力を身に付けられない』
という反論をする人もいるだろう。たしかにそのとおり。
人間は万能にはなれない。

だが「万能になること」の前提にある基礎的なスキルは
業種、業界を問わず変わらないのが現実だ。
例えば刃物なら「刃が丈夫である」とか「持ちやすい」などだ。
これは、果物ナイフであろうが、出刃包丁であろうが、
求められる基本機能。

スポーツ選手の場合、走力、筋力、持久力などは、
競技種目を問わず、必要とされるスキル。
同じように、ビジネスにおいても、交渉力、営業力、
文章力など、求められる基礎スキルは限られてくる。

このような基本を押さえているからこそ、彼らは万能
になれる可能性を秘めているのだ。そして、基本性能を高めるならば、
適材適所に拘らなくても、どんな仕事でもいいのである。
走力を鍛えたければ、マラソン以外にも、サッカーでも、
野球でも、いろいろ方法はある。

会社という組織において、1つのビジネスを創り上げていく喜び。
それはまるで、舞台の上で、それぞれの役割を演じる俳優のように。

そして、忘れてはならないのは「主役の存在感は脇役によって
支えられている」という事実。逆に「脇役の存在感も、主役によっ
て引き立つ」とも言える。

テレビドラマにおいては、大御所の俳優よりも、若手俳優の主役のほうが
出演シーンも台詞も多い。だが、ギャラは大物俳優のほうが多かったりする。
たくさん話すことがすべてじゃない。多く映ることだけがすべてじゃない。
大御所と呼ばれる人たちは、ほんの少し話すだけで、多くのギャラを手にする。

その分「わずかな出演において、強い存在感を与える」という
能力が要求される。つまり、過去に蓄積された経験があってこそ、
短時間で深い演技ができるのである。

そして、ベテランの助演俳優ほど「主演を引き立たせることの大切さ」
を知っている。その役割が自分に求められていることを良く知っているからだ。
自分の立場を理解し、全体として成功に向かう方向に導く姿勢。
それが、本当の意味での「プロの姿」なのである。

サラリーマンの場合、与えられた仕事に必ずしも
満足できないケースは多いだろう。
だが、その地味な仕事が、結果として、チーム全体を
成功へと導くための脇役として欠かせないものならば、
その役割は、自信を持って演じるべきなのだ。

本当のプロとは何か? 本当の意味でのベテラン、大御所とはどんな姿なのか?
それを、もう1度自分に問い直してみた時に、仕事への取り組み方が
大きく変わることは間違い無いだろう。

(次回につづく。)

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※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2005 無断転載を禁止します。コメント、トラックバック等はご自由にどうぞ。




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この記事へのコメント
>ベテランの助演俳優ほど「主演を引き立たせることの大切さ」
を知っている。
>サラリーマンの場合、与えられた仕事に必ずしも満足できないケースは多いだろう。だが、その地味な仕事が、結果として、チーム全体を成功へと導くための脇役として欠かせないものならば、その役割は、自信を持って演じるべきなのだ。

でもベテラン俳優のような役回りを期待されながら”高額ギャラ”をもらえずに、ギャラは新人並みだったら?
チーム全体の成功へと導くための脇役として欠かせなくても、成功したときにおいしい思い(昇格&昇給)をするのは上司だけで、自分はいつまでも冷や飯食いだったら?
Posted by ぴょりん at 2005年04月18日 23:44
うちの上司や会社のことなんですけどね
Posted by ぴょりん at 2005年04月19日 00:23