2005年04月06日

専門化と同時に考えるべきリスクヘッジ

これからは「選択と集中の時代」とは良く言われることだ。
専門家、差別化し、得意な分野を伸ばしていく戦略。
それが「選ばれる存在」になるということ。
SEO的に言えば、検索結果でつねに1位に表示される
絶対的な存在。

小売業で言えば、デパートよりも専門店が好まれる。
「何でもそろっています」はもやは「何もそろっていません」と同義。
それよりも、限られた分野で、徹底的に極めていく。
ネットショップはその究極の形であろう。
インターネットでデパートをやっても儲からないが、
一方で、個人がマニアックな商材を売っているサイトは
なぜか長期的に安定したアクセスを誇っている。

このような時代の流れに伴い、
学校教育においても「ある特定の分野に特化して
専門的に教育する」という風潮が進みつつある。
義務教育段階での選択科目を増やすなど、
あらゆる方向から、その試みが検討されているとも言える。

そもそも「ゆとり教育」で「学校以外の時間」を確保することが、
専門分野を伸ばす手助けにもなっている。
学校が休みのとき、何を学ぶか、学ばせるか?
経済的な格差が、教育機会の格差につながっているという意見も
あるが、それはさておき「選択肢が増えた」というのは
まぎれもない事実である。

そして、私たちサラリーマンも「専門家」として
成長していくことになる。給料は「時価」で評価され、
誰もが個人事業主的に、自分の給料を短期間契約で交渉できる時代。
そうなると、その競争で勝つためには、一人ひとりが
個人としての「コアスキル」を磨かなければならない。

「あなたは何ができますか?」と聞かれ
『何でもできます!なんでもやります!頑張ります!』
と言えば通用する時代は終わった。
「何でも出来ます!」は「何も出来ない」のと同じ。
他者に勝つだけの圧倒的アドバンテージが見出せないのと同じ。
それに気づいたとき、人は自分の中に「絶対的な専門分野」を
構築しようと努力するのだ。

だが、一方で「専門分野に特化しすぎることのリスク」もまた、
同時に認識しておかなければならない。
なぜなら、あらゆる市場における「技術の旬」が
短くなりつつあるからだ。

正確には「短くなっている」と言うよりも「サイクルが早くなっている」
と言った方がいい。
1年前までは最新だった技術が、数ヵ月後には「誰でもできる技術」になる。
それぐらい「情報の相互伝達スピード」が上がっているのだ。

となると、1つの専門分野だけに執着していては、
リスクが高まってしまう。情報やノウハウが分散し、
自分以外にも「出来る人」が増えてきたら、その時点で
すでに「専門家」ではなくなる。

では、このようなリスクに対して、
具体的には、どのような対策を立てていけばいいのだろうか?
一番大切なことは「3本の柱を同時に持つ」という姿勢である。

端的に言えば「得意な分野を3つ持つ」という考え方。
しかし、その3つが、必ずしも「最高の技術」でなくてもいい。

1.絶対に自信があるもの
2.多少は自信があるもの
3.人よりちょっと進んでいるレベル

このような3つの柱があれば、
たとえ1つ目が倒れたとしても、
まだ2つめ、3つめに広げられる可能性が残る。
そうすれば、ビジネスチャンスはいくらでも広がる。

先日、アナウンサーの草野仁氏が、レスリングで
芸能人ナンバー1になるという番組が放映されていた。
アナウンサーとしても優秀だが、レスラーとしても優秀な人材。

誰もが「本業以外の得意分野」を持っているはずだ。必ず1つか2つは。
その分野は、本来「趣味の領域」かもしれないが、それでも、
その趣味を極めておけば、第二、第三の柱に育つ可能性は十分にある。

つまり、同時に複数の柱を持つことが最大のリスクヘッジになる。
それを理解しておかなければ、1つの市場が崩壊した時に
焦ることになるのだ。

だからこそ、サラリーマンは、本業以外にも、
趣味、週末起業、自己啓発など、幅広い活動に
取り組むべきなのであり、本業だけにエネルギーを
奪われる必要など無い。

大企業が、リスクを分散させるために、複数の事業を同時に回す。
同じように、個人もまた、複数の柱を同時に育てていく姿勢が大切。
専門化も大切だが、同時にリスクヘッジも考えていく。
それでこそ専門化した分野が生きてくるのである。そのことを忘れてはならない。

(次回につづく。)

presented by 幸せなサラリーマンになる方法
※この記事は、人気メールマガジン《幸せなサラリーマンになる方法−気づきの視点と発想力》の著者により提供されています。(C) Copyright 2005 無断転載を禁止します。コメント、トラックバック等はご自由にどうぞ。




この記事へのトラックバックURL

http://app.blog.livedoor.jp/shiawase3/tb.cgi/18161886