どんな仕事にせよ「効率を上げること」は大切な課題の1つ。
これは、業界・業種を問わず、永遠のテーマであり、共通の悩みでもある。
だからこそ、上司は部下に対して「もっと効率のいい仕事のやり方をしろ」
などと、檄を飛ばすのだ。
そして、新人ほど、仕事になれていないせいか、
効率の悪い仕事の進め方をしてしまう傾向がある。
そんな姿をみて「新人だから仕方ないか」と思う面もあるだろうが、
配属後、ある程度の期間がたってくると、その効率の悪さに
腹を立てる上司や先輩も増えてくる。
だが、ここで注意しなければならないことが1つ。
新人のうちは、どんなに優秀な人間でも、
仕事の全体象や、細かいルールを覚えるのに必死だ。
だから、そのような時期においては、効率の良さよりも
確実性を求めた方が、本人は成長できるもの。
つまり、効率化の前提にあるものは「確実性」なのである。
逆に言えば、確実性という土台ができていなければ、
どんなに効率を上げようとしても、それは業務上意味をなさない。
例えば、初めて上京した人にしてみれば、
東京の路線図、特に地下鉄については、まったく意味不明の
巨大迷路に見えることだろう。私もそのような経験があった。
乗り換えの概念が分からずに、わざわざ経過駅で降りて
改札を出て、また切符を買いなおすなどの無駄な行動を
繰り返したこともあった。効率という意味で言えば、まさに
最悪に効率が悪い方法である。
また、急行があるのに、鈍行に乗ったり、
近い路線があるのに、わざわざ遠回りしたり、
山手線を逆回りに乗ったり。
だが、このような行為は「確実性」を重視しているからに
他ならない。効率化を重視するなら、スピードは優先事項だが、
それよりも、初めての場合は、遅かろうが、早かろうが、
確実に「目的地に着くこと」のほうが、重要なのである。
時間を意識するがあまり、急行に飛び乗って、
本来下りるべき駅を通過してしまうという間違い。
乗ったことがない急行に乗る場合「停まるか停まらないか」
の判断ができなければ、やはり鈍行を選ぶ。そのほうが確実だと考えるからだ。
もちろん、駅員に聞くなどの行為も重要だが、
タイミングによっては、そのような余裕が無く
いきなり目の前に急行が表れることがある。
それを見逃すかどうかの判断。乗ってから間違いに気づいても遅い。
だが、一度鈍行に乗って「それがいかに無駄か?」を
実体験すると、次からは急行に乗るようになるし、
事前に「急行が目的駅に停まるか?」も調べるようになる。
それが効率化の始まり。
次のような言葉がある。
『効率を求めたければ、非効率から入れ。』
いきなり便利なものを使わない。
不便さを体験する。無駄を実感する。
それでこそ、便利なもの、早いもののありがたみを感じ、
そのメリットを最大限に享受・利用できるという考え方。
携帯もその1つ。かつては、外出先の相手に連絡を
取るのは大変だった。今では何の問題も無い。
不便さをしっていればこそ、便利さの本質を理解できる。
仕事においても、いきなり効率化を最優先して、
なんでもスピードを第一に考えてしまうと、
思わぬミスや事故を引き起こす原因になる。
特に、新人の場合、スピードよりも確実性を
重視したほうが、結果としてスピードも速くなるのだ。
効率化よりも、まずは確実性。
それがたとえ、第三者から見て非効率だったとしても、
その非効率こそが、将来的に効率化の芽を大きく育ててくれるのだから。
(次回につづく。)
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