会社が組織として仕事をする以上、社員同士の意見の対立は
避けて通れない問題だ。
特に、上司と部下の意見の対立においては、
立場の弱い部下が、一方的に聞き役に徹するケースが
非常に多い。
相手の上司のタイプにもよるが、
時として、感情的な上司に当たることもある。
そのような場合、部下としては不満が募るが、
それでも反論はできない。人事権や査定など、
権力を相手が有している以上、下手に争っても
勝ち目はない。だから「戦わないこと」が一番の秘策。
そうやって、若い社員は自我を失い、牙を抜かれた狼のように
なる。その狼がやがて上司になり、同じことを若手社員に
繰り返すのだ。それが巨大組織の悪循環を生む。
しかし、狼系の若手社員も、まだまだ数多く存在する。
特に、最近の風潮としては「新世代と旧世代の対立」
的な構図が一般化しつつある。プロ野球問題やニッポン放送の
問題しかり。
そして、社内にも「上司と対等に議論しようと試みる部下」
は増えてきた。年功序列が崩壊した今、大切なことは
「保証されない将来への期待」よりも「今の自分を大切にすること」
だと、多くの社員が気づいたのだろう。
だが、ただ感情的に議論をしても、やはり上司を納得させることは
できない。本当に「議論で勝つ」ためには、常に冷静であり、
客観的に見ても「自分が言っていることは正しい」と
確信できなければならない。
では、感情的な上司と意見が対立した場合、
具体的には、どのように反論すればいいのだろうか?
まず、やってはいけないことは「感情で対応すること」である。
例えば、上司が「どうして君のプロジェクトは遅れているんだ?
君の管理能力が足らないからではないか?」と、責めてきたとする。
その場合、感情的な部下は、つい
「そんなことありません。私は一生懸命にやっています。
頑張っています」などの精神論で反撃してしまう。
しかし「一生懸命」とか「頑張っている」という言葉は
感情的かつ主観的であり、まったく説得力がないのである。
だから、このような場合は「事実だけを明確に述べる」ことに
徹する必要がある。例えば
「遅れているといっても、当初の予定から3日だけです。
原因は、現場社員のインフルエンザによる一週間の休暇が
原因です。しかし、そのような事態も事前に考慮して、
余裕のあるスケジュールを組んでいますので、来週中には
3日間の遅れを挽回できます」
などと、具体的な事実だけを、数値を交えて述べる。
この会話には、精神論や感情論は一切含まれていないから
相手を感情的に刺激することはない。
また「社員が風邪で休むことも想定して予定表を組んだ」
ということの証明にもなり、あなた自身の「管理能力」には
問題がないという主張もとおりやすくなるだろう。
もし、これを
「私は悪くありません。現場の社員が休んだのが悪いんです」
などと、ただ現場社員に責任を押し付けるような発言をしてしまうと、
上司から『社員の健康管理をするのも、君の仕事ではないのか?』
と反論されるだろう。だから「それも見越して予定を立てている」
という自分の行動を説明しなければならない。
普段は感情的に怒鳴っている上司でも、
いざ、事実だけを突きつけられると、感情で反論できなくなる。
むしろ、反論した上司の方が「自分は感情的になっている子供のようだ」
と罪悪感を抱くかもしれない。
社内で起きる、あらゆる議論や対立。
その多くは「感情に頼りすぎた議論」になっていることがある。
だが、冷静に考えれば「自分が何を考え、どう行動したのか?」
だけを説明すれば、丸くおさまるのだ。
その行動に対する評価を冷静に見きわめる。
そこには感情が入る余地は無い。ただ客観的な数値と事実が
あるだけなのだから。
(次回につづく。)
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